いすゞが国内初、小型充填機用いた圧縮天然ガストラックへのバイオメタン充填実証に参加

いすゞが国内初、小型充填機用いた圧縮天然ガストラックへのバイオメタン充填実証に参加

脱炭素へ利用促進狙い

いすゞ自動車は9月18日、環境負荷低減技術を手掛けるスタートアップのルネッサンス・エナジー・リサーチ(RER、京都市)が9月3日に大阪府泉佐野市内で実施した、国内初の小型充填機を用いたバイオメタンの車両充填実証に参加したと発表した。


(プレスリリースより引用)



実証では、樹皮や廃油など利用率が低かったりそもそも利用されていなかったりするバイオマスをメタン発酵させて得たバイオガスから、RER独自の分離膜技術によりCO2を分離し、高純度なバイオメタン(メタン濃度約90%)を生成。このバイオメタンを小型ガス充填機で圧縮し、いすゞの圧縮天然ガス(CNG)で走る小型トラック「エルフCNG車」に充填した。

その結果、エンジン始動と走行は問題なく行うことができた。いすゞはバイオメタンが自動車燃料として実用可能であることをあらためて確認したと説明。小型充填機を使えるようにして、バイオメタンの燃料活用を後押しし、脱炭素を加速させたい考え。

実証は大阪府が大阪・関西万博開催期間中に、大阪府域における成果の発信を目指して実施した「令和6年度カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環としてRERが取り組んできた「高効率メタン発酵システムと膜分離による次世代型バイオガス発電の開発・実証事業」の成果を披露する目的で実施した。

RERは、バイオガスを活用した発電システムの開発・実証に取り組むとともに、自動車燃料としての地産地消利用を提案している。

バイオメタンを車両に充填する際、高圧ガス保安法に適合する大型の充填機を使用している実例はあるが、地産地消で充填速度を要さないケースでは今回投入したような小型充填機も有用と想定。

廃棄物処理事業者など、事業者自らが比較的安価な小型充填機を設置し、ごみ処理と燃料供給の運用を一体化することも容易になるとみており、資源循環とエネルギー循環を両立するモデルの構築につながると期待している。



(藤原秀行)

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