温室効果ガス排出削減の環境価値をデジタル証書化、荷主の脱炭素後押し
商船三井は9月19日、英国に本拠を置く資源メジャーのAnglo American(アングロ・アメリカン)向けに運航するケープサイズバルカー「LAMBERT MARU」(ランバートマル)に対して9月14日にシンガポール港で補油を実施、化石燃料に代わる有効な代替燃料のバイオ燃料を使用した航行を開始したと発表した。
商船三井グループが海上輸送のネットゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現を目指して立ち上げたカーボンインセット(脱炭素促進)プログラム「BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE」(ブルーアクション・ネットゼロ・アライアンス)の枠組みを活用している。
今回創出した温室効果ガス排出削減の環境価値はデジタル証書化し、荷主のアングロ・アメリカに割り当てる。デジタル証書は同社の海上輸送サービスからの「Scope3」削減のための活動として、統合報告書などへ反映できる。
バイオ燃料供給の様子(プレスリリースより引用)
今回使用するバイオ燃料は、国際組織ISCC-EU(International Sustainability & Carbon Certification)の品質に関する認証を取得しており、廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を30%の割合でブレンドした混合油(B30)。従来の化石燃料と比べ航行時に発生するCO2を船上排出ベースで約30%削減する効果が見込まれている。
バイオ燃料は、船舶の既存のディーゼルエンジンの仕様の改造をせずに導入できるため、化石燃料に代わる有効な代替燃料として温室効果ガス排出削減に貢献できるとみている。
【本船概要】
船名 | LAMBERT MARU |
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全長 | 292 m |
全幅 | 45 m |
型深 | 18 m |
積貨重量 | 180,432 MT |
(藤原秀行)