関係強化し需要の高まりに対応
川崎汽船と川崎近海汽船は8月21日、両社の合弁会社で洋上風力発電向け海洋作業船を手掛けるケイライン・ウインド・サービス(KWS)が、洋上風力発電の作業を担うオフショア支援船の保有・運航事業を営むSNマリン(広島県呉市)と資本提携すると発表した。
SNマリン株主の菅原汽船などと合意した。具体的な出資の額や比率は開示していない。
SNマリンはオフショア支援船「かいこう」の保有・船舶管理や地質調査船「EK HAYATE」の船舶管理を行い、洋上風力向けオフショア支援船の運航では国内でも有数の実績と経験を持つ。
これまでにもKWSとSNマリンは、両船の運航サービスを緊密な協力体制の下で提供してきた。また、SNマリンは日本国内で複数のオフショア支援船を運航している強みを活かし、洋上風力発電向けオフショア支援船の運航に不可欠な定点保持機能DPS(Dynamic Positioning System)の操作資格を保有する日本人船員の育成に加え、洋上風力発電プロジェクト向け作業船に今後求められる、船舶の安全性や品質を客観評価する電子共通海洋検査文書(eCMID)や沖合検船データベース(OVID)などの国際認証取得も積極的に進めている。
資本提携により、KWSとSNマリンはこれまでの協力体制をより強化し、洋上風力発電事業が求める国際標準も充たすことが可能な高品質のオフショア支援船サービスを展開していくのが狙い。
日本政府は2030年までに10GW、40年までに浮体式も含む30~45GWの案件を形成するとの目標を掲げており、今後さらにオフショア支援船の需要が高まると想定している。
(藤原秀行)