ヤフーとプラス、アスクル岩田社長らの再任反対で議決権行使と発表

ヤフーとプラス、アスクル岩田社長らの再任反対で議決権行使と発表

独立社外取締役3人も、退任が事実上確定

※ヤフーに続いてプラスも議決権行使を発表したため、本日午後配信した記事を差し替えました

ヤフーとは7月24日、資本・業務提携しているアスクルが定時株主総会を8月2日開くのに際し、同社の岩田彰一郎社長の取締役再任に反対する議決権を行使したと発表した。

ヤフーは理由について「低迷する業績の早期回復、経営体制の若返り、アスクルの中長期的な企業価値向上、株主共同利益の最大化の観点から抜本的な変革が必要と判断した」と説明している。

また、独立社外取締役の戸田一雄、宮田秀明、斉藤惇の3氏についても「業績低迷の理由である岩田社長を任命した責任など総合的な判断」を理由に、再任反対の議決権行使を行ったと明らかにした。

アスクルはヤフーに対し、アスクルの個人向けインターネット通販「LOHACO(ロハコ)」の成長を図るという目的を達成する見込みが厳しくなったことなどを理由に、資本・業務提携の解消に向けた交渉を求めているが、ヤフーは「提携見直しは不要」として応じる構えを見せていない。

併せて、ヤフーに次いでアスクルの第2位株主となっているプラスも7月24日、ヤフーと同じく、アスクルの定時株主総会を前に、岩田社長と独立社外取締役3人の再任に反対する議決権行使を実施したと開示した。

プラスはその背景として、岩田氏は「業績低迷の責任などの理由から」と強調。独立社外取締役3人は「ロハコ事業成長の観点で最も重要なパートナーであるヤフーとの業務・資本提携関係の見直しという意見を出し、アスクルの企業価値を著しく損ねる可能性のあった独立社外取締役3氏の信任が難しいと判断した」と厳しく批判している。

現在はヤフーがアスクル株式の約45%(議決権ベース)、アスクルも1割超をそれぞれ保有しており、両社が反対で足並みを完全にそろえたことで岩田氏は定時株主総会で取締役再任を否決され、社長退任を強いられることが事実上確定した。

ヤフーやプラスとアスクルの関係は回復が見込めないほどの悪化が決定的となった。今後はアスクルがヤフーに対し、提携契約の中に盛り込まれている、事業の独立性確保などで違反があった場合はアスクルが自社株式を売り渡すようヤフーに請求できる「株式売り渡し条項」を行使するかどうかが焦点となりそうだ。行使を決めた場合は法廷闘争に持ち込まれる可能性もあり、対立が長期化する恐れが出てきた。

「現体制維持と保身の行動」と強い不快感

また、プラスは再任反対の議決権行使に関する発表の中で、岩田社長が記者会見などで、プラスの今泉公二社長(アスクル社外取締役)が「ヤフーに利用された可能性は大いにあり得る」と発言していたことに言及。「憶測に基づく話をされている点について、大変残念に思っている」と非難した。

加えて、アスクルがヤフーとプラス両社の議決権行使に関する意向表明後にヤフーとの提携解消に動いた点に対し「担当取締役が本件発覚後の記者会見の場ですらロハコ事業での連携を含むヤフーとのシナジーを強調されていたことと相反しており、アスクルの業績の維持・向上のためではなく、岩田社長による現体制維持と保身のための行動にほかならないと捉えている。それを適切に是正できなかった独立社外取締役各位の姿勢は、少数株主の立場からしても遺憾であったことを付言する」と明言。アスクルサイドの動きに強い不快感を表明した。

(藤原秀行)

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