リーファーコンテナやフォークリフトの電源をリチウムイオン電池へ置き換え促進
出光興産は10月27日、自社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じて、オランダで物流・配送領域の電動化に取り組むスタートアップのMaxwell and Spark(マックスウェル・アンド・スパーク、m+s)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
m+sはリーファーコンテナやフォークリフトなど向けにリチウムイオン電池を活用した電動化のソリューションを欧米やアフリカで展開している。出光は出資により、リチウムイオン電池を用いた幅広いビジネス領域に関する知見を習得、新規事業の創出を目指す。
m+sはリーファーコンテナの冷却機能の動力(軽油)やフォークリフトの動力(鉛蓄電池)のリチウムイオン電池への置き換え、定置用リチウムイオン蓄電池の設置などを手掛けている。
リーファーコンテナやフォークリフトはメーカーごとに設計・仕様が異なるため、リチウムイオン電池への置き換えが難しいことが課題だった。m+s社は独自のコネクターとソフトウェアを開発することでハードルを乗り越え、バッテリー交換作業の工程最小化を実現しているという。
また、低電圧の電池を用いたシステムを採用することで、安全性を向上させている。
出光は全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)の材料となる固体電解質の開発に取り組むとともに、リチウムイオン電池の周辺材やリサイクル・リユース、リチウムイオン電池を活用したサービス・ソリューションといった、電化・電動化に関連する新規事業機会に広く着目している。
m+sへの出資を通じ、リチウムイオン電池を用いたサービス・ソリューションに関する知見を深め、電化・電動化分野における事業機会を追求したい考え。国内外の自社グループ施設でm+sの製品・サービスを活用したフォークリフト電動化の運用実証を行うことも検討する。

m+sが電化・電動化を進めるリーファーコンテナ(イメージ)

m+sが電化・電動化を進めるフォークリフト(イメージ)※いずれも出光興産提供
(藤原秀行)


