Gメンら44人参加し出発式、都内で企業を予告なく訪問し適正取引訴え
国土交通省と公正取引員会は10月28日、荷主企業が物流事業者に長時間の荷待ちなど適正な取引を阻害する恐れのある問題行為をしていないかどうか監視している各地方運輸局と沖縄総合事務局の「トラック・物流Gメン」が東京に参集し、協力して荷主企業などに法令順守を呼び掛ける合同荷主パトロールを開始した。
2026年1月1日に下請法を改正した中小受託取引適正化法(取適法)が施行となり、運送業の保護強化が始まるのに備え、今回は公取委とも連携。Gメンと公取委担当者ら44人が参加し、10月29日までの2日間、Gメンの設置以降で最大規模のパトロールを実施する。

出発式に参加したGメンら


出発式を終えてパトロールに出るGメンら
パトロールではGメンらが手分けして、建設や鉄鋼、小売、食品・飲料などの荷主企業と元請けトラック事業者が東京都内に構えている拠点を訪れ、コストが上昇している中での運賃据え置きなど問題行為をしないよう求めるとともに、取適法の内容を周知する。
Gメンには荷主企業などを捜索する権限はないが、パトロールで普段運送事業者などから業務に関して収集している声を荷主側に伝えたり、問題となる具体的な行為を説明したりすることで、適正な取引を促進したい考えだ。
国交省で同日実施した出発式で、国交省の岡野まさ子総括審議官は「物流の集積地の東京で合同パトロールを実施することは全国の荷主企業に(政府として取引適正化を推進するという)強いメッセージを発信し、われわれの確固たる意志を表示するということになると考えている」と活動の意義を強調。
公取委の向井康二官房審議官は「国交省と公取委が合同で直接事業者を訪問するパトロールはかつてない歴史的な取り組みと評価している。Gメンは課題の撲滅に直接的に貢献していると考えており、もはや取引適正化にとって欠かせない存在だ」と語った。


出発式であいさつする岡野氏と向井氏
(藤原秀行)







