国交省の検討会が報告書、ロボット活用へ実証も
国土交通省は11月7日、宅配業務の負荷軽減や業務効率化を後押しする施策を検討する「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」(座長・矢野裕児流通経済大学教授)が取りまとめた報告書を公表した。
人口減少に悩む離島や山間部など過疎エリアの物流機能を維持するため、ドローン配送の事業化をさらに支援していく必要性を強調。採算性を高めて事業者が配送を継続して展開できるよう、政府が策定した事業のガイドラインを見直し、1人の操縦者で同時に運航できる機体数の拡大などを促進していくことを提言した。
また、ドローンがトラック輸送を補完する手段として使えることを標準運送約款や関係法令などで明確に定めていくことにも言及した。
併せて、物流と河川巡視・点検などを並行して実施しやすくし、収益源を増やして事業者が運航を継続できる環境を整備するため、異なるドローンが飛行の航路に相互乗り入れできるようにしたり、ガイドラインに準拠して安全性を確保しながら運営、相互乗り入れが可能な航路を政府が認定・認証する「ドローン航路登録制度」の実証を進めることも打ち出している。
さらに、さまざまな形態の自動配送ロボット実用化に向け、2025年度中に新たな実証実験を行うとともに、走行ルールをより整備することなども図っていく方向性を示している。
国交省としてドローンが地域の物流を担う役割をより鮮明にしていきたいとの思いが強くにじみ出ている。
報告書はこのほか、宅配業務の負荷軽減のため、「置き配」を標準運送約款で明確に定めることも提唱している。
(藤原秀行)



