倉庫内全体を可視化、より効果的な提案可能と想定
SGホールディングスグループでIT統括事業を担うSGシステムは11月18日、実世界の物やシステムをデジタル空間上に再現し、集まったデータを分析できるようにする「デジタルツイン技術」を生かして製造現場を革新するFAプロダクツ(東京都港区新橋)と連携し、ドイツ・シーメンスの3Dシミュレータ「Plant Simulation」(プラントシミュレーション)を活用した物流コンサルティングサービスの提供を開始したと発表した。
倉庫内作業をデジタルツインで再現し、定量データに基づく分析と自動化提案を行う。

作業者とマテハンの動きを再現し、可視化(SGシステム提供)
従来のExcelを用いた作業分析は複数のマテハン設備を含めて倉庫内全体を精緻にシミュレーションすることが難しく、費用対効果を裏付けた包括的な改善提案には限界があった。そのため、倉庫内全体の作業者とマテハンの動きを仮想空間上で再現し、可視化・検証できるデジタルツインを活用してコンサルティングサービスの内容を高度化することにした。
新たなサービスは、入荷から出荷までの一連の流れをシミュレーションすることで、倉庫内全体を俯瞰した改善提案を定量データに基づいて提示できるようになると想定。
さらに、複数の運用パターンを短時間で比較・検討できることから、より効果的な改善策の提案が可能と強調している。
また、作業者やマテハンを含む全てのリソースの稼働率に加え、在庫や出来高の推移、エネルギー消費量、コスト比較などを定量データとしてグラフ化することで、倉庫内全体の生産性や効率性を的確に把握できるよう後押しする。
今後はAIや進化的アルゴリズムを活用し、最適解を自動的に導き出す仕組みを検証するほか、SGシステムが開発中の倉庫運用管理システム(WES)と連携させ、シミュレーション結果を実運用に反映できる仕組みの構築を図る。
(藤原秀行)




