導入促進へ弾みと期待
川崎重工業は11月14日、港湾内の操船・係船の作業効率と安全性向上のために開発した「安全離着岸支援システム」が一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を、操船支援情報表示装置が革新技術を対象とした認証サービス「Innovation Endorsement」(IE)のP&S認証をそれぞれ取得したと発表した。
AiPは基本設計を審査した結果、技術要件や安全性の基準を満たすと承認したことを示す。P&S認証は革新性を備えていると認めたことを表している。
また、操船支援情報表示装置は進的な安全対策を採用している船舶と認めたことを示す「a-SAFE Berthing Support Systemノーテーション」に準拠した製品の第1号となる。
同社は認証取得でシステムの安全性・信頼性が公的にお墨付きを得たことになり、今後の導入促進へ大きな弾みになるとみている。

AiP証書

P&S証書
現在、港湾内の離着岸作業は操船技術に精通し、船固有の操縦性能と係船設備の特性を熟知した乗組員が担っているが、船舶の大型化による操船の高難易度化や船員人材不足を受け、船舶操船・係船の省力化・省スキル化や安全管理の向上がさらに重要度を増している。
同社は安全離着岸システムを導入することで、難易度の高い港湾内における操船・係船の作業効率と安全性が大幅に向上すると想定している。船種を問わず導入が可能という。

操船支援情報表示装置の表示画面

操船支援制御装置
安全離着岸支援システムの特徴
<操船支援情報表示装置による情報の可視化>
●接近、着岸、離岸時の船の状態
●風による外乱で予測される船の動き
●接近、着岸、離岸時の操船における安全マージン
<航路追従および着岸操船モードによる操船支援制御>
航路追従モード
ジョイスティック入力で指示された速度で、計画した航路に沿って船を自動的に航行させる。
接岸アシストモード
ジョイスティックとヘディングダイヤルの操作により、指示した姿勢と船の位置を自動的に維持し、岸壁との並行姿勢を保ち、安全な着岸操船を支援する
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用




