脱炭素で連携
三菱重工業グループの三菱造船、今治造船、ジャパン マリンユナイテッド、日本シップヤードの海運関係4社と日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社を合わせた計7社は12月1日、液化CO2(LCO2)輸送船および脱炭素技術(アンモニア燃料等)を活用した新燃料船などの先進的な船に関し、三菱重工業と今治造船が共同出資している次世代船設計会社MILES(旧MI LNGカンパニー)が開発・基本設計を行い、国内の各造船所が共通の基本設計に基づいて機能設計と生産設計を行うことで、船舶の開発・初期設計を効率的に進める標準設計スキームを構築すると発表した。
7社は標準設計スキームの構築を通じ、国内の造船所とともに、国際競争力のある船舶の開発・初期設計の実現を目指している。参画する国内の造船所の拡大を図るとともに、事業環境に応じて、対象船の拡大などを検討していく予定。
川崎汽船、商船三井、日本郵船の海運大手3社は日本における業界の垣根を超えた連携を加速するためMILESに出資することを決定しており、今後は標準設計スキームを活用する多くの国内造船所で建造促進を図る。
ジャパン マリンユナイテッドと日本シップヤードも、MILESが提供する標準設計が国内造船業界において幅広く活用され得るよう各社との連携を深めていくことで、日本造船業の国際競争力を力強く復活させるためにMILESへの出資を決めた。具体的な出資の額と期限は開示していない。
(藤原秀行)



