日本コーポレート・ガバナンス・ネットワークがヤフーの行為に強い懸念表明
企業の社外取締役らで構成するNPO法人の日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(理事長・牛島信弁護士)は8月1日、「支配株主を有する上場会社のコーポレート・ガバナンスに関する意見」を公表した。
この中で、ヤフーがアスクルの定時株主総会を前に、同社の独立社外取締役3人の再任に反対する議決権を行使したことを取り上げ、「かかる行為は上場子会社のガバナンスの根幹を崩すものに他ならず、当該上場子会社の少数株主の利益を無視した行為と言わざるを得ない」と強い懸念を表明した。
併せて、「当該支配株主である上場会社のコーポレート・ガバナンスに対する姿勢についても投資家の疑義を生じさせ、わが国の資本市場に対する信頼を一層損なうおそれがある」と批判。独立社外取締役の再任について慎重な判断を求めた。
また、一般論として「支配株主は、少なくとも自らが一度はその選任に賛成した独立社外取締役については、明白な過誤などがない限り、その再任を拒絶すべきではない」との見解を表明した。
(藤原秀行)