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米・イスラエルのイラン攻撃で中東情勢緊迫、ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に

米・イスラエルのイラン攻撃で中東情勢緊迫、ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に

国内外の海運大手、リスク回避の動き広がる

米国とイスラエルが2月28日、イランへの攻撃を開始したことで、中東情勢が一気に緊迫化している。

イランは攻撃に強く反発し、報復に乗り出した。ペルシャ湾と外洋をつなぐ海上交通の要衝・ホルムズ海峡も3月1日夜の時点で事実上の封鎖状態に追い込まれており、石油やLNG(液化天然ガス)の輸送が滞るなど物流への深刻な影響が懸念される。



海外メディアや関係者によると、イランの最高指導者直属の精鋭軍事組織、イラン革命防衛隊(IRGC)は各国の船舶に対し、ホルムズ海峡を通過することを禁止すると船舶向け無線(VHF)で通告した。

イランのアッバス・アラグチ外相が3月1日、ホルムズ海峡を閉鎖する意図はないと説明したと海外メディアが報じているが、英国の海事機関UKMTO(英海事貿易オペレーション)はホルムズ海峡などで大規模な軍事活動を複数確認していると指摘、各船舶に警戒を呼び掛けている。

日本や海外の海運各社の間で、ホルムズ海峡につながるペルシャ湾内の安全な海域に船舶を待避させるなどの動きが広がっている。複数の海外メディアによると、既に2月28日夜の時点で、ホルムズ海峡を通過する船舶は通常時より半分以下まで激減しているもようだ。

紅海周辺の状況緊迫を受けてドイツのハパックロイドは自社船のホルムズ海峡通過を全てストップさせたほか、フランスのCMA-CGMもペルシャ湾に向かっている自社の全船舶に待避を指示するとともに、スエズ運河ルートをアフリカの喜望峰を回る迂回ルートに切り替えることを決めた。

米政府もペルシャ湾全域を対象に、米国の船舶にイランの領海から離れるよう要請。ギリシャ海運省もホルムズ海峡など関係エリアを避けるよう自国の船舶に勧告している。日本船主協会は3月1日、「海上安全等対策本部」を立ち上げ、情報収集・提供などに努めている。

海外メディアによれば、イランの報復攻撃で3月1日、アラブ首長国連邦・ドバイの主要港、ジュベル・アリ港で火災が発生した。ドバイ国際空港にも被害が出ており、航空各社が運航を停止した。明らかに親米国の港湾や空港などを標的にしており、報復攻撃が激しくなれば、中東の海運・航空輸送に支障が出る恐れがある。



また、米国やイスラエルとイランの対立が長期化すれば、原油価格の高騰や戦争リスク保険料の急騰などで輸送コストが膨らみ続ける公算が大きい。

(藤原秀行)

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