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MSC、ペルシャ湾向け全貨物で「航海終了」宣言

MSC、ペルシャ湾向け全貨物で「航海終了」宣言

内外船社で予約受け付け停止広がる

スイスのMSCは3月3日、米国とイスラエルによるイラン攻撃で中東情勢が緊迫化、海上の要衝のホルムズ海峡がイランのイスラム革命防衛隊によって事実上封鎖されているのを考慮し、ペルシャ湾(アラビア湾)の港向けの全貨物で「航海終了(End of Voyage)」を宣言したと発表した。

輸送中の貨物に加え、陸上で保管中の貨物や、既に積み込みのために荷降ろしが完了した空コンテナも対象としている。



MSCは航行中の全ての貨物は次の安全な港に迂回の上、荷揚げすると説明している。迂回費用としてコンテナ1個につき800米ドル(約12万5000円)の強制割増金を適用する。

CMA-CGMも同日、アラブ首長国連邦(UAE)やイラク、サウジアラビアなど湾岸諸国向けの予約受け付けを停止すると公表。マースクやハパックロイド、ONEなども相次ぎ同様の措置に踏み切っている。併せて、紛争時のサーチャージを次々と設定している。

日本船主責任相互保険組合が3月6日に公表したところによれば、3月4日時点の情報として「ホルムズ海峡の封鎖宣言や商船への直接攻撃により、海運業界にとって過去数十年で最も危険な状況であり海上物流にも大きな打撃を与えている」と指摘。

1000隻以上の船舶がGPSやAIS(船舶自動識別装置)の妨害を受けており、そのため多くの船がスエズ運河を回避してアフリカの喜望峰周りへルートを変更していると解説している。

船主などの賠償責任を補償している船主責任相互保険(P&Iクラブ)に名を連ねているノルウェーのガード、英国のノーススタンダードなどの損害保険大手が、イラン海域やペルシャ湾を対象にした海運業者の賠償責任補償保険を停止したことも、船舶のペルシャ湾(アラビア湾)航行回避につながっている。

(藤原秀行)

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