国交省と民間事業者らが意見交換会設置
国土交通省は民間の事業者や団体と連携し、ドローン(無人飛行機)が河川上空を安全に飛行するためのルール整備の検討を本格化に開始した。官民が参加した「河川におけるドローンの安全利用に関する意見交換会」を設置、7月30日に東京都内で初会合を開いた。
都市部や住宅地などに比べて人が少ない河川の上空はドローンを物流などに使う際の飛行経路として期待が高まっているほか、国交省などがドローンを河川の維持・管理に役立てることを視野に入れている。
一方、航空法は人口密集地区やイベント会場の上空でドローンを飛ばす際には事前の申請を義務付けるなど、法令でさまざまな制約を設けられており、河川区域も該当する場合があると見込まれる。国交省は官民双方で課題を洗い出し、必要に応じてルールを取りまとめ、河川上空の適正な利用を促進したい考えだ。
意見交換会の初会合には国交省から水管理・国土保全局と関東地方整備局の幹部、民間からKDDIやNEC、日本無線、日本郵便、楽天、テラドローンなどの担当者らが参加した。日本気象協会も名を連ねた。
国交省の河川環境課は初会合で、河川におけるドローン利用で考慮すべき事項として、
・河川区域内には民有地が多数存在している
・河川管理者が河川で行われる催し物を全ては把握していない
・ドローンの利用が増えると河川管理の観点から制約を設ける可能性がある
・生息している鳥や動物への影響を把握する必要がある
――ことなどを列挙した。
(藤原秀行)