組織委と都、沿線自治体議会の同意取り付け目指す
2020年東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会と東京都などは8月27日、都庁内で関係者が大会時の道路渋滞対策などを協議する「輸送連絡調整会議」の第9回会合を開いた。
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組織委と都は、大会期間中に選手らを円滑に輸送できるようにするため、都内の区間を走った際の首都高の通行料金を昼間(午前6時~午後10時)は1000円上乗せして交通量抑制を図る一方、夜間(午前0時~4時)はETC利用車を対象に首都高全線で半額に割引する案を提示。出席者から特段異論は出ず、了承された。
都は同日から1カ月間、上乗せなどの料金施策案についてパブリックコメント(一般からの意見募集)を実施。その内容も踏まえ、組織委と都が内容を正式決定する見通し。実施に向けては、道路整備特別措置法に基づき、首都高沿線の都や千葉県、埼玉県、横浜市、川崎市、さいたま市の各議会で料金改定の同意を得ることが義務付けられている。
料金上乗せはマイカーや社用車が軸で、物流関係車両やタクシー、緊急車両などは除外する。実施期間はオリンピックとパラリンピックが開かれる期間を含め、7月20日から8月10日までと、8月25日から9月6日までの計35日間と設定する。
7月に実施した通行規制の実証実験では通行量抑制の効果が一定程度確認できたものの、首都高は一般道より減りにくい傾向が見られた点などを踏まえ、組織委や都は追加で対策を講じることにした。
8月26日に開かれた大会関係者らによる「交通輸送技術検討会」で、内閣官房と国土交通省が料金上乗せ案などを提示、その内容を組織委と都が踏襲した。
(藤原秀行)