労働環境改善や東京五輪への対応などテーマ
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)主催の物流に関する大型展示会「ロジスティクスソリューションフェア2019」は最終日となる8月28日も東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた。
参加企業・団体はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった先進技術を駆使し、ロジスティクスの現場を変えるソリューションを提案。さらに、労働力不足など物流業界が直面する課題の解決へ識者や経験豊富な現場担当者が積極的に情報を発信した。
2日目も多くの来場者が詰め掛けた会場
会場には、クラウドベースのトラック運行管理システムや物流現場向けロボット、業務負荷軽減につながるマテハン機器、物流施設内で短期就労スタッフの勤怠管理を効率化するシステムなど多様なソリューションが所狭しと並べられた。
プレゼンテーションセミナーでは、配送シミュレーターを使った業務効率化、IoTによる物流現場のデジタル化、先進的物流施設の開発、スマートフォン向けアプリによる物流効率化など19のテーマで多様な立場の関係者がプレゼンテーションした。
併せて、ロジスティクスカンファレンスも実施。首藤若菜立教大教授がロジスティクス分野で人手不足が生じた背景を解説したほか、デンソーロジテム高槻部品物流センターの近藤羽留奈部品梱包課係長がシニア・女性社員の目線で取り組んだ職場改善を報告。企業内保育施設を運営するママスクエアの藤代聡代表取締役は母親が働きやすくするための事業展開をアピールした。
一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を控え、東京都オリンピックパラリンピック準備局大会施設部の松本祐一輸送課長が「輸送と企業活動の両立」をテーマに渋滞緩和などの対策を紹介。キユーピーの藤田正美上席執行役員は持続可能な物流の構築へ産業界が取り組むべき施策で持論を展開した。
NECが参考出展した新型搬送ロボット。2台の台車で荷物を挟んで運び人と協業することを想定している
セミナーの様子(写真はアトムエンジニアリング)
(本文・藤原秀行、写真・川本真希)