20年度にも実証実験開始目指す
島根県美郷町が、町内の広範囲でドローン(無人飛行機)を利用した物流ができるようにする方向で検討していることが明らかになった。
町はドローンに電力を供給する蓄電池などの関連費用を盛り込んだ2019年度補正予算案を議会に提出、成立すれば国土交通省に飛行を申請するなど、20年度にも実証実験に着手できるよう準備を進める見通し。物流事業者にも実験に参加するよう協力を要請するとみられる。
関係者によれば、当初は町役場の庁舎や公民館などをドローン物流の拠点に設定し、拠点間などで荷物を運ぶことを想定。将来は拠点から住民までの間もドローンで輸送することを視野に入れているという。
現状では複数地点間をドローンで結び、荷物を運ぶ実証実験が各地で進められているが、自治体の広範囲でドローン物流を行う計画は異例とみられる。
美郷町は県中央部に位置し、人口は約4600人。過疎化が進行し、物流の維持も厳しさを増しているため、ドローンを積極的に活用していきたい考えだ。
(藤原秀行)