「2024年問題」など受け、長距離トラック輸送から代替図る
JR貨物は9月18日、同社北海道支社と国分北海道、北海道の3者で構成する北海道「新モーダルシフト」推進協議会が、深刻化するトラックドライバー不足や「物流2024年問題」を踏まえ、札幌エリアからオホーツク・根釧地域へ輸送する生活必需品などを対象に、貨物鉄道輸送を活用した新たな輸送モデルの確立に向け、実証事業を展開すると発表した。
同協議会には3者のほか、オブザーバーとして北海商科大学、北海道商工会議所連合会、北海道物流を支える鉄道輸送の会が名を連ねている。JR貨物は実際の輸送を担う。
道内各地域で消費される日用品、加工食品、飲料、雑貨などの生活必需品の多くは、札幌圏の物流拠点から長距離トラック輸送によって運ばれている。
2024年問題やドライバーの高齢化・人手不足、燃料費・人件費の上昇などで従来のような長距離トラック輸送を維持することが難しくなっており、特に札幌から北見・釧路方面への輸送は長距離となるため、ドライバー拘束時間や車両運用の負担が大きく、将来の輸送力不足が地域の生活必需品供給に影響を及ぼす恐れがある。
これまで、道内の長距離トラック輸送は、輸送区間を複数に分け、中継地点でドライバーや貨物を引き継ぐ「中継輸送」などが進められてきた。
一方、物流ネットワークは災害発生時でも代替性を確保できるよう、平時から複数の輸送手段を使えるようにすることが不可欠で、鉄道輸送もその一つとして重要な役割が期待されているものの、道内における長距離輸送の手段としての利用は、十分に進んでいるとは言えなかった。
そこで、道内における長距離貨物輸送について、トラックへの過度な依存を緩和し、その一部を鉄道に切り替えるモーダルシフトの社会実装化を図ることで、トラック輸送力の低下に対応しつつ、災害時における代替性も確保した持続可能な物流ネットワークの構築を図ることを目指す。
現状、貨物鉄道輸送については、コンテナ単位で、まとまった量の貨物を継続的に出荷できる荷主に適した「少品種・大ロット」の利用がメイン。道内は生産地域から札幌圏・本州方面へ向かう農水産品などの輸送需要が大きい一方、札幌圏から生産地域へ向かう貨物は相対的に少なく、コンテナの空回送(片荷輸送)が発生しやすい。
実証では、空コンテナ回送余力を活用し、生産地域向けの日用品、加工食品、飲料、雑貨といった「多品種・小ロット」の荷物をパレット単位で輸送し、生産地域における生活必需品の安定的な供給と鉄道輸送ネットワークの効率化を両立することを目指す。
併せて、複数の荷主・物流拠点を巡回して集荷する「ミルクラン」や、着駅側での配送、パレット・養生資材の回収の手法についても検証する。
これまでの実証では、特定区間での輸送可否や鉄道輸送の成立性を確認する取り組みが中心となるケースもあったが、今回はさらに一歩踏み込み、多品種・小ロット、ミルクラン、端末配送、資材回収、コスト受容度、継続利用の意向までを一体的に確認し、社会実装を見据えた標準モデル化につなげることを目指す。
本実証事業は、国土交通省の「地域の事業者間連携を通じた物流生産性向上推進事業」を活用して、以下の体制で展開する。により実施します。
【実施主体】
北海道「新モーダルシフト」推進協議会(JR貨物北海道支社、国分北海道、北海道)
【オブザーバー】
北海商科大学、北海道商工会議所連合会、北海道物流を支える鉄道輸送の会ほか
【参加荷主(主な輸送品目)】
国分北海道(酒類)、セイコーフレッシュフーズ(飲料水)、ジャストカーゴ(内装資材)、サッポログループ物流(酒類)、幸楽輸送(食料品)、ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(食料品)
【実運送事業者等】
日本フレートライナー、北見通運、三ッ輪運輸ほか


(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用










