【独自取材】物流業界のロボット活用支援も積極的に対応

【独自取材】物流業界のロボット活用支援も積極的に対応

デンマークのオンロボット社CEO、日本市場開拓に強い意気込み

産業用アーム型ロボットの先端に取り付けるグリッパー(物をつかむ部分)などの開発・製造を手掛けるデンマークのOnRobot(オンロボット)のエンリコ・クログ・アイベルセンCEO(最高経営責任者)はこのほど、ロジビズ・オンラインのインタビューに応じた。

アイベルセンCEOは「特定の領域に絞り込んでソリューションの提供に力を入れるということはなく、製品に関しても多種多様な用途に適切なものをそろえている」と説明。物流分野もこれまでに梱包の現場でアーム型ロボットに用いるグリッパーを手掛けるなどの実績を重ねていることを踏まえ、日本でも物流業界を含めた産業分野全般のロボット活用を積極的にサポートすることで、機械化・省力化のニーズ開拓を目指す姿勢を強調した。


アイベルセンCEO

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来年に新製品を大量リリース、カバーするロボットメーカーも拡充

オンロボットは2015年設立。さまざまなメーカーのアーム型ロボットに共通してすぐに取り付けられる汎用性の高いグリッパーなどを開発、販売している。新商品として、本体の重さは814グラムとコンパクトサイズながら積載可能量は15キログラムを備えた電動真空グリッパー「VGC10」も公表した。

アイベルセンCEOは、2020年に新製品を30種類程度と大量にリリースするとともに、オンロボットが新たに開発した複数メーカーのアーム型ロボットを同一のプログラムで一体的に管理できる統合インターフェース「ワンシステムソリューション」に対応可能なメーカーの数を増やしていくと表明。

「“協働アプリケーションのグローバルリーダー”の地位実現に向けて非常に大きなステップになると思う」と今後の成長に強い自信をのぞかせた。

その上で、日本を含むアジア市場を非常に重視し、業容拡大を図る戦略を重ねて説明。「製造現場の自動化がより手軽で簡単に行えるような製品を作り出していきたい」と意気込みを見せた。

インタビューに同席したアジア太平洋地域のジェームス・テイラー・ジェネラルマネージャーは、日本や中国、韓国などで販売パートナーの数を増やすなどして、売り上げ規模を現状から300%伸ばしていくとの目標に言及。「今後登場する新製品群などを踏まえれば、それだけの成長は妥当であり、達成に十分自信を持っている」と力を込めた。

日本法人の鈴木孝カントリーセールスマネージャーは「さまざまな大手メーカーの代理店と契約し、拡販していく。パートナー企業の数を増やしていきたい」と語った。


オンロボット製のグリッパーを2つ取り付けたタイプのアーム型ロボット

(藤原秀行)

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