自動搬送で積載可能重量を最大250キログラムから増強視野
オムロンは12月18~21日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた「2019国際ロボット展」で、250キログラムまでの荷物を搬送できる「モバイルロボット LD-250」のデモンストレーションを実施した。
同社が手掛けている「LD」シリーズは、物流施設や工場の中で人間や障害物を自動的に回避し、最適な経路を自動で設定しながら目的地に荷物を運ぶ。LD-250は今年11月にグローバルで発売した新タイプで、それまでの130キログラムを上回り、シリーズで最も重い荷物を搬送可能となっている。
同社ブースでは、技術革新でものづくりの現場が抱える課題を解決する独自のコンセプト「i-Automation!」に基づき、多指ハンドを備えた「AIロボット」など、製造過程の省人化や生産性向上、安全性確保のためのさまざまな技術がお目見えした。ユニークなところでは、卓球ロボット「フォルフェウス(FORPHEUS)」の最新の第5世代が登場、来場者と卓球のラリーを繰り広げていた。
ブースでデモを行う「LD-250」
ブースの展示はものづくりを支える技術が中心だったが、同社担当者は物流現場からの機械化・省人化支援の相談も多いと明らかにした上で、搬送ロボットなどの対応を強化していきたいとの考えを示した。
現在は搬送ロボットの対応重量も1トンと大型になっており、物流業界からは重量物を扱えるようにするため、1・5トンといった能力を求める声が出ている。搬送ロボットにピッキング用のロボットアームを搭載し、現場内を自動移動しながらさまざまな工程をカバーするなどの用途を希望する向きもあるという。
同社担当者は「詳細はまだ何も決まっていないが、そうしたお客さまのご要望は伺っており、当社としても対応していきたい」と説明。2020年以降に搬送ロボットの積載可能重量の増強を図るとともに、別のロボット搭載といった用途への対応も視野に入れていることを示唆した。
卓球ロボット「フォルフェウス(FORPHEUS)」の最新の第5世代
(藤原秀行)