保険不正販売受け、日本郵政には業務改善命じる
金融庁は12月27日、日本郵政傘下のかんぽ生命保険が不適切な保険商品販売を行っていたとして、同社と保険商品販売を手掛ける日本郵便に対し、新規の保険販売を2020年1月1日から3月31日までの3カ月間禁じる業務停止命令を出した。
法令や社内規則に違反した疑いのある事案が約1万2800件に上るなど、法令順守の意識が希薄な点を問題視。両社に適切な顧客対応や健全な組織風土醸成などを実現するための業務改善計画を20年1月末までに提出するよう要求した。併せて、日本郵政にもグループのガバナンスの抜本的強化などを求める業務改善命令を出した。郵便や物流などの業務継続は認める。
金融庁は日本郵政とかんぽ生命、日本郵便に対し、今回の問題を踏まえた経営責任の明確化を迫っており、3社はいずれも12月27日に記者会見して、経営トップの辞任を発表する見通し。このうち日本郵政の後任社長には岩手県知事も務めた増田寛也元総務相が有力候補として挙がっている。
総務省も同日、日本郵政と日本郵便に対し、同趣旨の業務改善命令を出した。
(藤原秀行)