日本郵政グループ3社長がかんぽ問題で引責辞任表明

日本郵政グループ3社長がかんぽ問題で引責辞任表明

後任は増田元総務相らが就任へ、20年1月6日付

日本郵政の長門正貢社長とかんぽ生命保険の植平光彦社長、日本郵便の横山邦男社長は12月27日、東京都内で記者会見し、かんぽ生命が保険商品の不適切な販売を続けていた問題で金融庁や総務省から行政処分を受けたことを踏まえ、そろって2020年1月5日付で引責辞任することを発表した。

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後任の日本郵政社長には20年1月6日付で岩手県知事や政府の郵政民営化委員長を歴任した増田寛也元総務相が就く。かんぽ生命は千田哲也副社長、日本郵便は衣川和秀日本郵政専務執行役が同日付で社長に昇格する。両氏はともに旧郵政省(現総務省)出身で、07年の郵政民営化当初から郵政グループで勤務している。


会見の冒頭、謝罪する(左から)日本郵便・横山社長、日本郵政・長門社長、かんぽ生命保険・植平社長

会見で長門社長は「お国のために役立ちたいと思っていたが、逆にご迷惑をお掛けすることになってしまった。自らの経営力のなさを深く反省している」と陳謝。後任の増田氏には「郵便局という資産を有効活用して、ぜひ新たな成長を実現してほしい」とエールを送った。

また、総務省の鈴木茂樹前事務次官が行政処分の検討状況を同省OBの鈴木康雄日本郵政上級副社長に漏洩したとして事実上更迭されたことに関連し、鈴木上級副社長も20年1月5日付で上級副社長を、同11日付で取締役も辞任する。長門社長は会見で、鈴木氏から辞意の表明があったことを明らかにした。

保険加入者らに損害を与え、行政処分を受けた責任を取り、関係する3社の役員報酬を20年1~6月に減額する。併せて、再発防止のため、販売額を重視してきた従来の営業目標を見直すことなどを実施。日本郵政にタスクフォースを設け、改善策の進捗管理を担う方針も打ち出している。


会見で辞任に至った経緯などを説明する日本郵政・長門社長

(藤原秀行)

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