主要デベロッパー20社アンケートで判明
ロジビズ・オンラインはこのほど、国内の主要物流施設デベロッパー20社を対象に、今後2~3年の賃貸物流施設市場の展望に関するアンケート調査を実施した。
【月刊ロジビズ読者限定】物流不動産市場 主要プレーヤー24社の最新活動状況
主要マーケットの首都圏と関西圏の見通しを尋ねたところ、首都圏は国道16号線より内側の都心エリア、関西圏は内陸エリアでともに空室率が低下する一方で賃料や用地価格が上昇するとの見方が過半を占めた。各社間で引き続き旺盛な需要を見込んでいることを示唆した。
一方、首都圏は国道16号線より外側の内陸エリア、関西圏は大阪湾岸エリアでいずれも空室率や賃料が横ばいとみる向きが多かった。デベロッパーの間ではエリアによって需給バランスなど市場動向に差が生じるとの認識が多いことをうかがわせた。
調査は2019年9~10月に実施、アンケート調査票を送付した。調査結果の詳細はロジビズ・オンラインに掲載している「物流不動産市場 主要プレーヤー24社の最新活動状況」の中で近く紹介する予定。
都心の空室率、「上昇」予測はゼロ
対象は物流施設適地として注目度が高い首都圏の「国道16号より内側の都心エリア」と「国道16号より外側の、圏央道など内陸エリア」、関西圏の「大阪湾岸寄りのエリア」と「内陸エリア」の4カ所について、それぞれ2~3年の空室率と賃料、用地価格の動きについて「大きく上昇」「上昇」「横ばい」「低下」「大きく低下」の中から選んでもらった。
首都圏の「都心エリア」では、6割が空室率について「低下」を選択。残りは全て「横ばい」だった。賃料は7割超、用地価格は6割超が「大きく上昇」または「上昇」を選んだ。
関西圏の「内陸エリア」も空室率は6割が「低下」とした一方、賃料は7割強、用地価格は8割強がともに「上昇」と答えている。
半面、首都圏の「内陸エリア」では空室率に関して半数が「横ばい」、3割が「上昇」と回答し、「低下」の2割を上回った。賃料も半数程度が「横ばい」との見方を示した。ただ、用地価格は「上昇」と「横ばい」で見方が分かれた。
長らく続いた厳しい市況に改善の兆しが見えている関西圏の「湾岸エリア」も、総じて「横ばい」と予測する向きが過半数に達した。
(藤原秀行)