楽天の送料無料問題、公取委が正式に調査開始

楽天の送料無料問題、公取委が正式に調査開始

社側は「法令上問題ない」と説明、全面的協力も表明

楽天は2月7日、インターネット通販サイト「楽天市場」で3月18日から新たな送料無料の条件を導入する方針に対し、一部出店者らが独占禁止法で禁じる「優越的地位の乱用」に該当すると反発している問題で、公正取引委員会から調査を開始したとの連絡を正式に受領したと発表した。任意で協力を要請されているという。

同社は新たな送料無料について「法令上の問題はないものと考えている」との従来見解をあらためて示した上で、調査には全面的に協力すると強調。「公正取引委員会に対し、本施策に対する当社の考えおよびご賛同いただいている出店店舗さま、お客さまのお声を誠心誠意お伝えし、ご理解を得られるよう努めてまいりたい」と話している。

併せて、新たな送料無料の条件に関し「楽天市場全体で表示を統一することで、お客さまにとっての価格表示の分かりやすさを向上させ、より簡単にお買い物が楽しめる環境を創出することにつながるもの。当社は本施策がさらなるお客さま数の増加、購買頻度の向上につながり、ひいては出店店舗さまの中長期的な事業成長に資するものと考えている」との見解を重ねて表明している。

同社は楽天市場のユーザーが商品を3980円以上購入すれば一部地域を除いて送料を原則無料と表示する方針。一方、楽天市場に出店している一部事業者らが加盟している任意団体「楽天ユニオン」は今年1月、公取委に調査を要請していた。

(藤原秀行)

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