独自の託児所を千葉・市川の自社開発案件に展開、外国人教師が毎日常駐
ESRは、物流施設における働きやすい環境整備の一環として、千葉県市川市で開発したマルチテナント型物流施設「ESR市川ディストリビューションセンター(DC)」内に独自の託児所「BARNKLÜBB(バーンクラブ)市川」を導入している。小さな子どもを持つ従業員が安心して働けるようサポートするのが狙い。ESRの物流施設で本格的に託児所を運営しているのは市川が初めて。自治体の補助金を活用することにより、実質無償で通わせることができるよう考慮している。
「ESR市川DC」の外観(写真は以下、いずれもESR提供)
「バーンクラブ市川」の内装と外観
2019年6月に立ち上げたバーンクラブ市川は独立採算型の認可外保育所として、保育事業のジョイサポに運営を委託。現在は定員の20人に達しており、0歳から4歳までの子どもが通っている。
部屋のデザインには木の素材を多く使用し、アーチ形に小さくくりぬかれた通路やすべり台、緑が豊かな遊び場などを採用。たたずまいからして、開放感のある独特の雰囲気を醸し出している。
新たな取り組みとしてバイリンガル教育を実践しており、外国人教師が毎日常駐し、子どもたちが楽しみながら英語に触れられるよう、英語の歌やダンスなどのプログラムを導入。昼食の前にみんなで歌う、“いただきます”の歌も英語のものだという。
他にも子どもたちが使うロッカーや絵本などもほとんどが英語表記とするなどの工夫を凝らしている。ESRは「自然と英語のシャワーを浴びる環境を提供している」と狙いを説明する。
「バーンクラブ市川」の活動の様子
日本語と英語の絵本
ロッカーにも英語表記
英国プリスクールの方針に共感
バーンクラブは、物流施設を開発する際の基本理念に掲げる「HUMAN CENTRIC DESIGN.(人を中心に考えたデザイン)」を具現化した取り組みの1つに位置付けられている。英国のスコットランド出身のスチュアート・ギブソン代表取締役が、英国ロンドンのプリスクール「BARNKLÜBB(バーンクラブ)」の方針に共感し、ESRの物流施設内に設ける託児所で同ブランドを用いる業務提携を締結した。
同社は延べ床面積が10万平方メートル以上の物流施設にはバーンクラブを標準装備していく方針。今後も展開する箇所を広げていく予定だ。他のデベロッパーの間でも物流施設に託児施設を導入する動きが広がっているが、残念ながら利用が増えず、いったんオープンさせた施設を休止せざるを得なかった事例も側聞される。ESRが取り組むユニークな託児所が今後も受け入れられるかどうかが注目されるポイントといえそうだ。
(藤原秀行)