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かんぽ問題再発防止へ「業務改善計画の実施が第1の課題」と決意

かんぽ問題再発防止へ「業務改善計画の実施が第1の課題」と決意

日本郵便・衣川社長共同インタビュー、宅配分野は小規模荷物の取り扱い拡大図る

日本郵便の衣川和秀社長は2月19日、東京都内で今年1月の就任以降初めて、主要メディアの共同インタビューに応じた。

衣川社長は、かんぽ生命保険の商品不正販売問題に関連し、かんぽ生命と日本郵便が行政処分を受けたことに触れ「(金融庁や総務省に1月末)提出した(保険営業推進管理の仕組み見直しなどを柱とする)業務改善計画をまずは着実に実施していくことが第1の課題。お客さまからの信頼回復につなげていきたい」と強調。「組織内の風通しを良くし、問題を認識して対応していかなければならない」と語り、経営層と現場の間や、グループ各社間の意思疎通を緊密にすることで問題の再発防止に全力を挙げる決意を表明した。

同時に「もともとが大きな組織なので、やはり全体の意識を変えていくには時間がかかるだろう」と述べ、コミュニケーション不足などの組織風土を変革するには一定の時間を要するとの見方を示した。かんぽ生命の新規販売再開の時期については、業務改善計画の着実な遂行を優先するスタンスを示し、明言を避けた。


合同インタビューに応じる衣川社長

全国2万4000の郵便局網、基本的に維持

郵便事業に関しては、全国約2万4000の郵便局網を基本的に維持する方向性をあらためて表明。「地銀や地方公共団体のお仕事など、いろんなサービスのインフラとして郵便局でやらせていただけるものがあればぜひ取り組み、収益性を上げていきたい」と語り、地元地銀のATMを配置したり、地方自治体の各種申請業務を担ったりするなど郵便局を基盤として積極的に活用したいとの考えを明らかにした。

競争が激しい宅配事業は「他の大手2社に加え、(アマゾンが協力している軽貨物配送事業者の)デリバリープロバイダも都心部を中心にかなり活動されており、全体(の競争環境)としてはなかなか厳しいものがある」と指摘。インターネット通販の成長に伴い荷物の小型化のニーズもあると分析し、小規模な荷物が対象の「ゆうパケット」や「ゆうパケットプラス」を伸ばしていくことに意欲をのぞかせた。

一方、デリバリープロバイダとの間で配送業務の安値受注競争に陥る懸念を指摘された衣川社長は「なかなか安め(にする)というわけにはいかないが、その分、それなりの品質を保てていると思う。お客さまに品質と価格の両方を見て選んでいただけるようにしたい」との見解を示した。

新型コロナウイルスによる肺炎拡大の影響で中国向けのマスクなどの国際郵便物が急増、滞留が発生している現況について問われたのに対し、衣川社長は今月貨物機を独自にチャーターし、中国へ郵便物を直送したことに関連して「そもそも論として郵便物流を担当しているものとして滞留はあってはならないことなので何とかしたいというのが素朴な思い」と解説。

今後もチャーター便の手配や第3国経由の輸送ルート活用などで中国向け荷物の輸送が滞っている状態の早期解消に努める姿勢をアピールした。ただ、滞留が解消する時期を問われたのに対しては「中国国内の配達にも結構手間が掛かっているらしい。日本でお引き受けしている荷物の数は、一時期よりは落ち着いているが、この先どうなるかは読めない状況。いつまでに解消できるかは申し上げられなくて、もう少し時間がかかるのかなと思う」と明言を避けた。

AI使った配送経路効率化に強い期待

郵便・物流現場の人手不足の現況に関しては「かつて非常に逼迫していた時よりは少し下がったが、基本的に労働力不足が続いている」と厳しい認識を表明。その上で、対応の方向性として「収集配達は人が中心にならざるを得ないだろう。うまく行けばそれなりに効果があると思うのが情報機器やAI(人工知能)を使った配達ルートの合理化だ。地域区分局もさらなる機械化の余地はあるだろう」と指摘。「機械のウエートがもう少し高まっていく分野と情報機器などを使いつつ人手が中心になる分野に分かれてくるだろう」と予測し、集配現場は人手をある程度維持しつつも配送経路の効率化などを図ることに強い期待を見せた。

豪トールグループを核とする国際物流事業が米中貿易戦争に端を発した世界経済の成長減速などで苦戦していることに関連し「共有部門の集約化やシステム化を着実に進めていくと同時に、アジア地域はもう少し発展の余地があると思っており、取り組みを強化すべきではないか。(トールの)新しい経営陣にはそういうことをしっかりとやってもらいたい」と述べ、業績改善の可能性は十分見込めると前向きな見方を明らかにした。

(藤原秀行)

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