業務効率化コンサルやロボット導入支援などアピール
東京・有明の東京ビッグサイトで2月19~21日開かれた国内最大級の物流に関する展示会「国際物流総合展2020 -INNOVATION EXPO-」には、物流施設開発のデベロッパーもそろってブースを出展。高機能の物流施設開発にとどまらず、入居企業をさまざまな面でサポートするソリューションの紹介に力を入れていた。
プロロジスは近年開始した物流業務効率化のコンサルティングサービスをアピール。さらに、スタートアップ企業でラストワンマイルの物流などを手掛けるウィルポート、単発バイトのマッチングアプリを提供しているタイミー、庫内作業の進捗状況を可視化するアプリを共同開発したKURANDOと連携し、各社のサービスを入居企業に優先して提供、労働力不足などの課題解決をサポートしていることも繰り返しプレゼンテーションしていた。
日本GLPは、先進的な機能を有する大規模物流施設の新ブランド「ALFALINK(アルファリンク)」を全面に打ち出し、物流の存在意義を伝えるメディアとして物流施設を最大限活用していくことなどをPR。同社が三井物産と組んで設立した物流現場へのロボット導入支援を担う「プラスオートメーション(+A)」の取り組みも報告し、自動化・機械化への目配りを印象付けていた。
大和ハウス工業はEC事業者向けフルフィルメントサービスを担うアッカ・インターナショナル、クラウドシステム構築などを手掛けるモノプラス、WMS(倉庫管理システム)開発などを進めるフレームワークスといったグループ企業と合同で出展。物流ロボットの積極活用などを推進できる体制を強調していた。資本・業務提携しているHacobu(ハコブ)による輸配送の業務効率化サービスを物流施設入居企業向けに幅広く提供していくことも掲げていた。
三井不動産は、2012年に物流施設事業へ本格進出して以降、ハイペースで開発してきた実績を報告。国内にとどまらず海外進出にも乗り出し、タイを手始めに東南アジアで事業拡大していく方向性を示すとともに、千葉県船橋市で今月開設した、物流現場を先進自動機器でフルオートメーション化した独自のショールーム「MFLP ICT LABO 2.0」も来場者へ大々的に売り込み、テナント企業の自動化・機械化支援に注力している姿勢を明示した。
三菱地所は、首都圏の5エリアで新たに物流施設開発を進めているプロジェクトを詳細に解説。23年までに累計で約2000億円を投じる前向きな計画をあらためて大きく発表、来場者に利用検討を働き掛けていた。新たな試みとして、MR(複合現実)を活用した物流施設のプレゼンテーションを行い、来場者がより立体的に内部の機能を感じられるようにしていた。
シーアールイー(CRE)は、半世紀以上にわたって倉庫の運営などに携わってきた経験値を強調。管理を手掛ける物件が約1500に上るなど、開発からアセットマネジメント、仲介など幅広く事業を展開していることを重ねて説明していた。自社ブランドの物流施設についても、首都圏を中心に広域で開発を展開していく姿勢を詳細に伝えていた。
住友商事は、不動産を祖業として行った歴史を振り返るとともに、グループで建物管理や物流、マテハン設備レンタル、流通、情報システム開発といった多岐にわたるリソースを抱えている総合商社の強みを解説。物流効率化を支援する機器なども案内していた。VR(仮想現実)ゴーグルを使った物流施設の内覧会コーナーも設置した。
グッドマンジャパンは、働きやすさにもこだわった独自の洗練されたデザインが特徴の自社ブランド物流施設をあらためて発表。その中では同社の旗艦的プロジェクトとなっている千葉県印西市の大型施設「グッドマンビジネスパーク」を柱に据えており、これまでにテナントとの契約も順調に進んでいると言及、厳選した用地で開発を進めてきた成果を明示した。
日本自動車ターミナルは、東京都内で開発を進めている「葛西トラックターミナル」などの先進物流施設の構想を発表。東京・平和島で建設した物流施設「ダイナベース」の高機能も紹介するなど、物流施設開発の姿勢を来場者に訴求していた。
(藤原秀行)※タイトル横の写真は会場となった東京ビッグサイト