【独自取材】大規模物流施設「Xフロンティア」、先進的ソリューション強化の拠点に

【独自取材】大規模物流施設「Xフロンティア」、先進的ソリューション強化の拠点に

グループの担当者が100人規模で集結、グループの主要機能連携し「スマート納品」など需要開拓

SGホールディングス(HD)は東京・江東区新砂で今年1月完成した大規模物流施設「Xフロンティア」を、企業が抱える物流の諸課題解決をサポートする先進的なソリューション提供プロジェクト「GOAL」のサービス内容を強化する拠点とする方針だ。

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中核事業会社の佐川急便の同プロジェクトチームに参加しているメンバーの3割強をXフロンティアに集結させるなどして顧客の多様なニーズを迅速に把握、対策を考案できる体制を確立。3PLや国際物流などの機能を「X」の文字のように組み合わせることで競争力あるGOALのソリューションを生み出していく考えだ。

「Xのごとく、多様な物流機能を掛け合わせる」


「Xフロンティア」の外観(SGホールディングス提供)

「スマート納品」の需要掘り起こしに期待

Xフロンティアは地上7階建て(うち倉庫部分は6階建て)、延べ床面積は17万1029平方メートル。SGHD傘下の佐川急便、3PLを手掛ける佐川グローバルロジスティクス(SGL)、国際物流を担うSGHグローバル・ジャパン(SGHGJ)、引っ越しや大型貨物輸送を展開しているSGムービングの主要事業会社4社が入居する。

佐川が大規模中継センターを導入するほか、EC事業者などが物流ロボットや自動倉庫といった先進機器を共有、利用した分だけ料金を払う「シェアリング・フルフィルメントサービス」を提供するSGLの専用センターを稼働させるなど、グループが備える多様な機能を集結させる予定。全体が稼働するのは2021年となる見込み。

「EC向けシェアリングサービスは非常に大きな反響、今後も展開を計画」

Xフロンティアには、佐川のGOALチームに参加している専任担当約200人のうち、約70人を集める計画。SGLなど他の3事業会社のGOAL担当も合わせると100人程度に上る見込みだ。先鋭メンバーを配置することにより4事業会社の機能を適宜組み合わせ、競争力のあるソリューションを提供していくのが狙いだ。

GOALの多彩なメニューの一例として、顧客の納品業務を代行し、深夜・早朝に商品を収めて取引先が始業と同時に作業を始められるようにしたり、荷受け先が行う一時仕分けをサポートしたりする「スマート納品」を展開している。SGHDグループは複数のサプライヤーからの納品をXフロンティアで一括して受け付ければ顧客の要望に沿ってより迅速に納品できるようになるため、スマート納品の需要掘り起こしにつながると期待している。海外で製造した商品の受け入れについても、SGHGJの機能を生かせると見込む。

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佐川がXフロンティアの1~4階に設ける大規模中継センターについても、全国各地へ24時間入出庫し、中継拠点を経ずダイレクトに全国各地へ配送していく機能を備えている。国内随一の中継センターにSGLが展開する大型自動倉庫やSGHGJの国際物流拠点を組み合わせ、近年利用が伸びている越境ECの物流効率化・迅速化を図ることもGOALのメニューとして準備、提供していくことを想定している。

(藤原秀行)

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