公取委事務総長、楽天の「送料込み」は独禁法違反の疑いありとあらためて表明

公取委事務総長、楽天の「送料込み」は独禁法違反の疑いありとあらためて表明

一時停止「緊急の必要あると引き続き考えている」とけん制

公正取引委員会の菅久修一事務総長は3月4日の定例記者会見で、楽天がインターネット通販サイト「楽天市場」で一定金額以上を購入した場合の代金を「送料込み」とする新たな制度の導入を目指していることに関し「(優越的な立場を利用した不当な要求を禁じる)独占禁止法の規定に違反する疑いがある」との見解をあらためて示した。

会見は、楽天が「送料込み」の一律導入を見送り、まずは対応の準備ができた出店者から対象に始める方針に変更することを発表する前に行われた。楽天の方針転換について、公取委は3月6日時点で公式のコメントを発表していない。

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公取委は2月、「送料込み」導入に対する緊急停止命令を東京地裁に申し立てた。菅久氏は「排除措置命令を待っていては侵害された公正かつ自由な競争秩序が回復しがたい状況に陥ることになると考えており、一時停止することについて金融の必要があると引き続き考えている」と強調。楽天の対応を強くけん制した。また、命令に対する結論は通常の裁判より早く出されるとの見通しを示した。

東京地裁が申し立てを認め、命令を出した場合、楽天は東京高裁に即時抗告する可能性がある。

(藤原秀行)

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