11月から実証実験もテスト段階で有意な効果
日立製作所は10月9日、三井物産とAI(人工知能)を活用した配送業務の最適化に向けて提携すると発表した。
トラックドライバー不足や物流現場の長時間労働が喫緊の課題となっている中、AIなどデジタル技術によってベテラン人材に依存しない最適な配送計画を立案するシステムの実用化を目指す。
配送業務を詳細に分析して多様な輸送条件(納品日時、物流センター・拠点位置、走行ルート・時間、渋滞、積荷・滞店時間、車種など)を全て変数化。これにベテラン社員の経験、ノウハウなどを取り入れて実効性ある配送計画を導出するとともに、データの収集・分析にAIやIoT(モノのインターネット)を用いて精度を継続的に高めていく。またダッシュボードでKPI(重要業績評価指標)可視化の有効性も検証する。
開発中のシステムを使用して2カ所の物流センターで半年間の実績データとシミュレーションで比較検証した結果、従来と比べてトラック台数を最大10%削減できたほか、短時間でベテラン社員と同等かそれを上回る精度の配送計画が立案可能との見通しを得た。
今年11月より物産の事業会社が手掛ける小売業向け配送業務、レンタル集配送業務で同システムによる効果を検証。
物産は2019年度をめどに本格導入を進める予定だ。日立はデジタルイノベーションを加速するソリューション「Lumada」の物流分野向け展開を推進していく考え。
(鳥羽俊一)
※画像は日立製作所ウェブサイトより