保管能力3・7万トン、パレット自動庫や高速ソーターなど導入し4月15日稼働
ニチレイロジグループ本社は4月13日、名古屋市内に開設した新たな大型拠点「名古屋みなと物流センター」の概要を発表した。傘下のニチレイ・ロジスティクス東海が運営の中心を担い、稼働開始は同15日の予定。保管容量はトータルで3万7294トンに上り、国内外のグループ全体で200万トンを超える設備規模に到達した。
センターの外観(写真は全てニチレイロジグループ本社提供・クリックで拡大)
人手不足の深刻化を踏まえ、同社がかねてグループを挙げて進めている業務革新モデルの基幹センターと位置付けており、パレットやケースの自動倉庫、移動ラック、高速ソーターなどの先進的マテハン設備とデジタル技術を積極的に導入。併せて、タブレット端末やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の利用拡大なども推進し、作業の効率化・省人化・ペーパーレス化を大胆に図るのが大きな特色だ。
新たに同センターを活用した冷凍食品の共同配送を手掛ける計画で、国土交通省から総合物流効率化法に基づく認定を得ている。食の安全・安心を求める機運が高まっているのに配慮し、顔認証システムとID錠も取り入れている。
同センターは名古屋港臨海地区に隣接しており、名古屋高速の港明IC、名港中央ICから至近。地上4階建ての冷蔵棟(1758坪、収容容量3万2581トン)と平屋建ての荷さばき棟(1382坪、4713トン)から成る。トラックバースは50台分整備した。保税蔵置場や動物検疫検査の許可も得ている。臨海地域のため、地震などの大規模災害時には周辺住民らが避難できる場所として開放する予定だ。
名古屋エリアでは既に物流拠点(DC)を5カ所展開しており、新センターは冷食の共配と宅配クール便のターミナル、幹線輸送中継に機能を特化して既存DCと明確に分け、地域の物流を効率に行えるようにする計画。
ニチレイロジグループ本社の梅澤一彦社長は新センター完成に際してコメントを発表し、「全国的には港湾地区の冷蔵倉庫庫腹能力が不足し、輸入貨物の荷揚げ地分散化ニーズが高まっている。運送面ではドライバー不足や長時間労働への法令厳格適用で幹線輸送の中継機能活用の重要性が求められている。当センターは機能と立地優位性の両面からこれらの問題解決に取り組む」と強調。
「輸入原料から加工食品まで幅広い商材への高度なワンストップサービスの提供が可能になっている」とアピールしている。
(藤原秀行)