首都圏の大型賃貸倉庫、3月末の空室率0・41%に低下

首都圏の大型賃貸倉庫、3月末の空室率0・41%に低下

CRE市場調査、1~3月の新規需要は過去最高更新

シーアールイー(CRE)は5月12日、賃貸倉庫の市場動向を分析した「倉庫・物流不動産 マーケットレポート(β版) Ver.202003」を取りまとめた。

今年3月末の賃貸大型倉庫(1万平方メートル以上、BTS型含む)の空室率は首都圏で前期(19年12月末)から0・71ポイント下がって0・41%となった。今年1~3月の新規供給は30万坪を超え、同社が調査を開始して以降で最大規模に達した。同時に、新規需要も過去最高の前期をさらに上回る約34万坪となった。

CREは4~6月以降の新規供給は現時点で約37万坪が見込まれ、その内定率は約57%に達しているとの情報もあると指摘。「一時的に空室率が上昇する可能性もあるが、大きく崩れる可能性は低い」と推察している。

関西圏は0・49ポイント下がって2・06%となり、8四半期連続で改善した。20年通年では新規供給が調査開始以来最高の約19・3万坪に達するとみており、そのうちの6割強に相当する約12・9万坪が4~6月に集中しているという。

CREは現時点で内定率は20%に満たないとの情報があることに言及、「漸減傾向で推移してきた空室率の悪化が懸念される」と説明している。21年も現状で約18・9万坪の新規供給が見込まれ、20年に次ぐ水準となっている。

中部圏の空室率は0・07ポイントと小幅上昇し5・72%だった。名古屋南と同様に、名古屋北エリアでも空物件の長期化が進行しており、1年以上にわたって空面積を解消できない物件が見られるという。今年の10~12月に名古屋北エリアで約2万坪の新規供給が計画されており、CREは「既存の空物件と併せて、新規供給の物件動向を注視する必要がある」と指摘している。

九州圏は前期に続いて0%だった。4四半期連続のゼロを記録した。20年の新規供給は約1・2万坪、21年は約1・9万坪が見込まれる。
1000坪未満(同社管理分のみ)の賃貸中小型倉庫は、首都圏の空室率は前期から0・35ポイント上昇し1・23%。CREは「堅調なテナントニーズを受け、既存物件のリテナント時に賃料の増加傾向が確認されつつある」との見方を示した。

調査対象となった大型施設は首都圏が377棟、関西圏が100棟、中部圏が30棟、九州圏が28棟、中小型倉庫は首都圏で934棟。

(藤原秀行)

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