コロナで輸出に急ブレーキ、19年度も5年ぶり減少
内閣府が5月18日発表した2020年1~3月の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期(19年10~12月)比0・9%減、年率に換算すると3・4%減となった。個人消費や民間企業の設備投資などが軒並み低迷し、年率で前期(7・3%減)から2四半期連続のマイナス成長に落ち込んだ。
新型コロナウイルスの感染拡大で輸出に急ブレーキが掛かったことも響いた。19年度の実質GDPは前年度比0・1%減で、5年ぶりのマイナスを記録した。
有力シンクタンクの間では、4~6月は世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で成長率がさらに悪化するとの見方が大勢を占めている。企業間の物流で低迷が続けば物流業界にとっても深刻な事態となるだけに、官民が連携して経済対策を講じることが急務となっている。
西村康稔経済財政担当相は5月18日の記者会見で「政府の緊急事態宣言発出後の4、5月はさらに厳しい状況になると思う。海外でも新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済の低迷が続いており、当面経済は相当程度落ち込むことが想定される」の見方を示し、各種対策を盛り込んだ補正予算の早期成立などに取り組む意向を示した。
(藤原秀行)