適切な温度管理に主眼、中国やASEANへの低温物流売り込み図る
国土交通、経済産業の両省は6月3日、小口保冷配送サービスの適切な温度管理に関する国際標準「ISO23412:2020」が5月28日付で発行したと発表した。
国際標準化機構(ISO)で日本が主導的に議論をリードしてきた。両省は日本の高品質な低温物流を国際標準にしたことで、経済成長の続く中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)などにサービスを普及させていきたい考えだ。
新標準は輸送の過程で積み替えを伴う保冷荷物を陸送、配送する際の作業項目を盛り込んでいる。具体的な項目として保冷配送サービスの定義や輸送ネットワークの構築、保冷荷物の取り扱い、事業所や保冷車両、保冷庫、冷却剤、作業指示書とマニュアル、スタッフへの教育訓練、保冷配送サービスの監視と改善など多岐にわたっている。
両省はASEAN域内で冷凍食品の需要拡大などに伴い、日本式のコールドチェーンを売り込める余地が大きいとみており、引き続き民間事業者らと連携して新標準の周知に努めていく構え。
(藤原秀行)