産総研やプロドローンなど、世界初の固体酸化物形燃料電池ドローンを開発

産総研やプロドローンなど、世界初の固体酸化物形燃料電池ドローンを開発

1時間超える飛行や作業を実現できる見通し、早期の商品化目指す

産業技術総合研究所とドローン(無人飛行機)開発を手掛けるプロドローン、アツミテックの3者はこのほど、世界で初めて環境負荷が低い新型電池「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」を用いたドローンを開発したと発表した。

SOFCは空気中の水素と酸素イオンを反応させて発電させる仕組みで、CO2を排出せず、発電効率も高いのがメリット。家庭用や事業用の発電機などへの活用が期待されているが、量産化が難しいことがウィークポイントとなっている。

3者は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、SOFCをドローンの動力源とするプロジェクトを推進。1時間を超える飛行・作業を実現できる見通しになったという。

3者は引き続きSOFCを活用したシステムの高出力化・軽量化などを進め、物流やインフラ転換、災害対応などの用途に投じられるSOFCドローンの早期商品化を目指す。

開発したドローンは、一般的に搭載されているリチウムイオンポリマー(LiPo)二次電池に加え、SOFCを搭載。電力の負荷が大きい場合はLiPo二次電池とSOFCの双方からドローンへ電力を供給する。電力の負荷が小さい場合はSOFCからLiPo二次電池へ充電のための電力を供給する仕組み。SOFCはLPG(液化石油ガス)で駆動しているという。


飛行試験中のSOFCドローン(3者プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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