SOOTHと共同開発、温度や湿度を測定しテナント企業に注意喚起も
ESRは7月14日、温度や湿度を測定し熱中症のリスクの度合いを可視化、物流施設のテナント企業に注意喚起する「環境モニタリングシステム」のサービス提供を無償で始めたと発表した。
センシング技術などを手掛けるSOOTH(スース、東京・銀座)と共同で開発した。今年も猛暑が予想される中、システムを活用して就労環境向上につなげ、物流施設の付加価値を高めるのが狙い。
同社の物流施設内で各フロアの一定区画ごとと屋外にそれぞれ測定機器を導入し、温度と湿度を15分ごとに計測。熱中症リスクの度合いをその都度更新し、米国で発案された気温と湿度、輻射熱の3要素を基に算出する「暑さ指数(WBGT値)」が一定の基準を超えると注意喚起する機能を備えている。暑さ指数を踏まえたリスクの度合いに応じて「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重注意」「危険」の5段階に設定し、色で分かりやすく明示している。
ESRが全ての物流施設を一元管理する一方で、各施設の建物管理者は建物全体、テナント企業は入居している占有区画とそれぞれ権限の及ぶエリアをモニタリングできる。暑さ指数の動きなどはパソコンのほか、スマートフォンからも確認可能で、遠隔からのサポートにもつなげる。
まずESRが開発した千葉県野田市の「ESR野田ディストリビューションセンター(DC)」、茨城県守谷市の「ESR守谷DC」、名古屋市の「ESR名古屋大高DC」の3物件で運用を開始。さらに、開発中の「ESR戸田DC」(埼玉県戸田市、今年9月末完成予定)と「ESR川崎夜光」(川崎市、2021年6月末完成予定)の2物件にも順次導入する予定。
システムを運用する「ESR野田DC」の外観
スマートフォン向け画面のイメージ(以下、全てESR提供・クリックで拡大)
(藤原秀行)