最大積載量500キログラム、専用コントローラーで遠隔操作
日本通運と日通商事は8月3日、物流現場の人手不足をカバーするため、ロールボックスパレット(かご台車)の搬送をサポートするAGV(無人搬送車)「リモート積収クローラー」のデモンストレーションを実施した。
同日、SGホールディングスグループが運営している東京・江東区新砂の大型物流拠点「Xフロンティア」内でメディアに公開されたコンビニ大手3社の共同配送実証実験の際、併せてAGVを公表した。
AGVはトピー工業と連携して開発。最大積載量は500キログラムで、ロールボックスパレットの下に潜り込み、持ち上げて搬送する。下部に取り付けたベルトが回る「クローラー機構」と「ローリング機構」を用いており、前後左右の移動と360度の回転が可能。今年3月に日通の現場へ導入、試験的に活用している段階だ。
デモを実施したのは専用のジョイスティックで操作するタイプで、物流施設などの構内作業者が重いロールボックスパレットを動かさず、1人で確実に搬送できるようサポートする。
8%(5度)の斜面を登ったり、15ミリメートルの段差を乗り越えたりすることもできるほか、移動している時に加えて停止中も重心が高くなることがあるロールボックスパレットをしっかりと支え続けているため、横転の危険性を大幅に低減するのが強み。
日本通運と日通商事は「構内作業者がリモコン操作のみでかご台車をトラック荷台まで運び、積み降ろしを行えるため、高齢者や女性の方でも手軽に作業を行うことが可能になる」と説明。トラックドライバーが積み込み・荷降ろしまで手掛ける従来のオペレーションから、積み込み・荷降ろしは構内作業者と役割分担が明確にできるよう改善し、ドライバーの業務負荷軽減を図ることにつながると強調している。
(藤原秀行)