【新型ウイルス】半年後の物流施設賃料、「上昇」予想割合が3年ぶり低下

【新型ウイルス】半年後の物流施設賃料、「上昇」予想割合が3年ぶり低下

「下落」も7%、慎重な見方じわり広がる・一五不動産情報サービス調査

工業用不動産に特化した不動産調査を手掛ける一五不動産情報サービスは8月20日、不動産業界の関係者らを対象として半年ごとに実施している物流施設の不動産市況に関するアンケート調査結果を公表した。

半年後の物流施設の賃料に関する見通しを聞いたところ、「上昇」と答えた割合が35・8%で、前回の今年1月(48・8%)から13・0ポイントと大きくダウン。2017年7月以来、3年ぶりに前回調査時から下がった。

最も多かったのが「横ばい」で56・8%となり、前回調査時から5・4ポイント上昇。「下落」も前回調査時の0・0%から7・4%へと拡大した。「下落」と答えた割合が前期よりアップしたのは17年1月以来、3年半ぶり。

横ばいを選んだ理由では「新型コロナウイルス禍でeコマース拡大のプラス面と景気悪化のマイナス面が均衡する」、「景気悪化による収益性低下と需給ひっ迫による賃料上昇圧力が均衡」といった声が目立った。下落を選択した回答者からは「コロナ禍で荷主・物流会社の業績が低迷し、賃料の値下げ圧力が強まる」、「コロナ禍が長期化し、日本経済の停滞が長引く」との見方が複数あった。

一五不動産情報サービスは「賃料の上昇トレンドに転機が訪れており、先行きに悲観的な意見がじわりと拡大している」と分析した。

調査は7月21~31日にかけて行い、不動産業界関係者ら81件の有効回答が得られた。


回答の分布の推移(一五不動産情報サービス資料より引用)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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