【独自取材、新型ウイルス】沖縄県北中城村、簡易宅配ボックスOKIPPAを住民に無償で提供

【独自取材、新型ウイルス】沖縄県北中城村、簡易宅配ボックスOKIPPAを住民に無償で提供

コロナ対応の地方創生臨時交付金を活用、全国初

スタートアップ企業のYper(イーパー、東京都渋谷区南平台町)が手掛けている簡易宅配ボックスとして活用可能な置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」に関し、沖縄本島中部に位置する沖縄県北中城村が住民に無償提供することを決めた。

政府が緊急経済対策の一環として打ち出した「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用。9月中に住民の中からOKIPPA利用を希望する人を募り、10月1日から200世帯へ無償で配布することを計画している。

Yperと北中城村が8月25日に正式発表した。同交付金を使い、自治体がOKIPPAを提供するのは全国でも初めてとなる。

北中城村は人口が約1万7700人で、村としてはかなり大きい規模。新型コロナウイルス禍の影響で密集を避けることが強く求められる中、乳幼児や高齢者がいるなど、生活用品購入に不安を抱えている世帯にOKIPPAを提供し、安心して日常生活を過ごせるようサポートする。

Yperは北中城村の住民に一定期間使ってもらった後にアンケートを実施、OKIPPAの活用で利便性を高められたかどうかを検証。他の自治体にも住民サービス向上策としてOKIPPAの利用を働き掛けていきたい考えだ。

北中城村の新垣邦男村長は「北中城村は起伏に富んだ地形と脆弱な公共交通網のため、生活用品を購入する際には自家用車が必須となる。昨今高齢ドライバーの事故も社会問題化する中、インターネット通販を利用することで、自宅にいながら生活用品を買い求めることができる。OKIPPAの導入はウィズコロナ対策だけではなく、村民の新たな生活スタイルの確立につながると期待している」とコメント。

Yperの内山智晴代表取締役は「当社はこれまで、再配達問題という社会課題の解決を目指してOKIPPA事業を展開してきた。今後は再配達問題に加え、新たに発生した感染症対策という社会課題に対応するため、全国の自治体の皆さまと協力していく。OKIPPAを利用することで地域住民の皆さまや配送員の方々が健康リスクに配慮した上で安心してECを活用できるよう、さらなるOKIPPAの普及に努めていく」との談話を発表した。


OKIPPAの使用イメージ(Yper提供)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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