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KDDIとゼンリン、長野県伊那市がドローン物流実現へタッグ

KDDIとゼンリン、長野県伊那市がドローン物流実現へタッグ

国内初、河川上空を“専用空路”に設定し輸送の実証実験

 KDDIと地図大手のゼンリン、長野県伊那市が2019年、ドローン(小型無人機)による物流の実用化に向けた実証プロジェクトを連携してスタートする。中山間地でドローンによる荷物配送の飛行実験を展開し、成果と課題を分析。自宅から商店が離れていることなどから自由に買い物ができない「買い物難民」の問題を解消し、地域住民の利便性向上を図る。

 飛行の安全性を担保するため、国内で初めて、人がほとんどいない河川の上空を“ドローン専用空路”に設定する予定だ。関係者は21年度の実用化を目指している。

 KDDIはかねて「スマートドローン」構想を推進している。全国に張りめぐらせた携帯電話の高速通信網を生かし、機体を遠隔制御できるようにして安全な長距離飛行を可能にし、ドローンをさまざまな産業で活用できるよう後押ししたいとの考えだ。

 一方、全国の地図情報を備えるゼンリンはドローンが安全に自律飛行する上で不可欠な3次元の地図情報整備を進めている。そこでドローンを地域活性化につなげたい伊那市が、ドローンに関して先進的な技術とノウハウを持つ両社にプロジェクトの業務を委託した。

 プロジェクトには他にもドローンメーカーのプロドローンや管制システム開発のテラドローン、日本気象協会、東京海洋大、三菱総合研究所が協力。地元スーパーなども参加する予定だ。

 KDDIなどが今年8月発表した内容によれば、プロジェクトは地域内で安全な輸送を確立する「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」と、重量物の長距離輸送を可能にする「INAドローン アクア・スカイウェイ事業」の2種類を組み合わせて実施する。

 前者は同市東部にある道の駅「南アルプスむら長谷」を拠点として活用し、ドローンの離発着基地を整備。近隣へ荷物を届け、安全性と採算性を検証するのが狙い。

 併せて、ケーブルテレビを介した商品の受発注システムを開発、ドローンと連動させ、地域住民が生活に必要な物を確実に受け取ることができる仕組みの在り方を検討する。

ドローンが隊列組み荷物を一度に配送する構想も

 後者は同市の中心部と山間部を結ぶ“ドローンの幹線輸送ネットワーク”構築を目指す。安全に配慮し、同市を流れる天竜川、三峰川の上空約20キロメートルをドローン専用の空路「アクア・スカイウェイ」に設定。

 荷物の集配拠点から各エリアの配送拠点までを大型ドローンで運んだ後、より小型のドローンで注文した住民の近隣にある集配場所へ空輸。その先はボランティアらが運搬することを想定している。

 プロジェクトでは約10キログラムの荷物をドローンで届けられるようにする予定。将来像として河川上空の専用空路を10台程度のドローンが隊列を組み、自動飛行する姿を描いている。

 伊那市では17年にも、日本郵便やNTTドコモ、自律制御システム研究所(ACSL)がドローンによる商品配送の実験を展開している。ドローンの“空の道”が実現するかどうか、物流業界以外にも多くの関係者が注目している。

(藤原秀行)

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