マングローブ植林やサンゴ礁の早期育成など、活動に拠出する基金設立も
商船三井は9月11日、インド洋に浮かぶモーリシャス島沖合で同社が長鋪汽船(岡山県笠岡市)の関連会社から傭船していた大型貨物船が座礁、燃料が大量に海へ漏れ出した事故を受け、現地の自然環境保護・回復の支援策を公表した。
環境省などとも連携しながら、マングローブ林の生態系を傷つけないよう清掃するとともに、植林を実施。サンゴ礁の早期育成や海鳥の保護などもサポートする。
併せて、「モーリシャス自然環境回復基金」(仮称)を設立。自然環境保護・回復を進めるための活動を資金面で支える。同基金には商船三井が数年間にわたって計8億円程度を拠出するほか、個人と法人の両方に協力を呼び掛ける。事故船の船主の長鋪汽船も拠出する意向。
このほか、環境保護活動を手掛ける複数の現地NGO(非政府組織)、モーリシャス政府や国連など公的機関の関係団体・基金に資金を提供。現地に駐在員事務所を開設して中長期的に連携を図っていける拠点とすることなども打ち出している。各施策に複数年で総額10億円程度を投じる見込み。
さらに、現地の漁業や観光業のサポートにも注力する。具体策として、鮮魚類の冷凍・冷蔵が可能なコールドサプライチェーンの整備、商船三井が持つ客船「にっぽん丸」のモーリシャス寄港などを想定している。
(藤原秀行)