TOBで完全子会社化目指す、株取得額は最大1600億円
「ホーマック」などを全国展開するホームセンター大手のDCMホールディングス(HD)は10月2日、首都圏を地盤とする同業の島忠を買収すると正式発表した。
DCMHDが島忠にTOB(株式公開買い付け)を実施して発行済み株式を全て取得、完全子会社化を目指す。島忠は同日、買い付けに賛同すると発表した。取得額は最大1600億円規模となる見込み。TOBの期間は10月5日~11月16日で、1株当たり4200円で実施する。買い付け予定数の下限は島忠が自ら保有している分を除いた発行済み株式の50%と設定している。TOBが成立した場合、DCMHDはグループで売上高が業界首位になる見通しだ。
DCMHDは2016年、カーマとダイキ、ホーマックのホームセンター3社が経営統合して誕生。同業他社を相次ぎ傘下に収めて規模を拡大、現在は全国で700弱の店舗を運営している。
東京や埼玉を軸に約60店舗を手掛ける島忠を傘下に収めることで、DCMHDが得意とする郊外型の店舗に加え、都心部の商圏も積極的に開拓したい考えだ。家具に強みがある島忠のノウハウを借り、大型商品を強化したいとの狙いもある。完全子会社化後も島忠ブランドは当面継続するとみられる。
ホームセンター業界では今年6月、新潟を本拠とするアークランドサカモトがLIXILグループのLIXILビバを完全子会社化する方針を発表するなど、再編に向けた動きが活発化している。
(藤原秀行)