商品輸送に活用、22年春ごろ開始見込む
トヨタ自動車とアサヒグループホールディングス、ヤマト運輸、西濃運輸、日野自動車、NEXT Logistics Japan(NLJ)は10月13日、燃料電池(FC)大型トラックの走行実証を共同で行うと発表した。国内商用車全体のCO2排出量の約7割を占める大型トラック領域の排出削減を目指す。
FC大型トラックはトヨタと日野が共同で開発。アサヒグループ、NLJ、西濃運輸、ヤマト運輸、トヨタの5社が2022年春ごろから各社の物流業務に投入し、走行実証を始める予定。
FC大型トラックは「日野プロフィア」をベースにし、リチウムイオンバッテリーを採用。航続距離は約600キロメートルを目標とする。各社の物流業務では、具体的には以下の経路にFC大型トラックを使う計画。
▼アサヒグループ・NLJ
アサヒビール茨城工場でビールや清涼飲料、アサヒビール平和島配送センターで洋酒やワインなどを積載し、NLJ相模原センターで荷降ろし、関西からの荷物を引き取って茨城工場に戻る
▼西濃運輸
東京支店から相模原支店宛、小田原支店宛の荷物の拠点間輸送を行う
▼ヤマト運輸
「羽田クロノゲートベース」と「群馬ベース」の間で集約された宅配便荷物などの拠点間輸送を行う
▼トヨタ自動車
愛知県内のトヨタの各工場とトヨタ飛島物流センターの拠点間で部品輸送を行う
トヨタと日野は将来の有力なエネルギーと位置付け、03年の燃料電池バスの共同実証から15年以上にわたり、燃料電池商用車の技術開発および普及促進を図っている。新車1台当たりの平均CO2排出量を基準年から50年までに9割減らすことを目標に設定している。
投入するFC大型トラックのイメージ(以下、各社プレスリリースより引用・クリックで拡大)
(藤原秀行)