ニトリ買収方針に対抗、TOBに支持訴え
ホームセンター大手のDCMホールディングス(HD)は10月30日、TOB(株式公開買い付け)を実施している同業の島忠に対し、ニトリホールディングスも買収に名乗りを挙げていることを受け、「当社こそが島忠にとって、最もシナジー効果を発揮しやすいベストパートナーであると確信している」とのコメントを発表、株主に対してTOBへの支持を訴えた。
DCMHDは島忠の完全子会社化に向け、10月5日から11月16日までスケジュールで同社へのTOBを実施中。島忠もTOBに賛意を表明していた。しかし、ニトリHDは10月29日、島忠に対して11月中旬をめどに同じくTOBを開始する方針を発表。1株当たりの買い付け価格はDCMHDより1000円以上高い5500円にする考えを示している。
DCMHDは10月30日に開示したコメントで「当社と島忠は約5カ月にわたり、相互の信頼関係を大切にし、お互いの事業・文化に対する理解を深めながら、お互いの事業価値を高めることについて慎重に協議・検討を重ねてきた。その結果、シナジーをより早期に最大化させるためには、対等の精神にのっとった経営統合を行うことが望ましいとの考えに至った」と経緯を説明。商圏が重ならず補完し合えることなどを挙げ、株主にTOBへの理解を求めた。
(藤原秀行)