デカルト・データマイン調査、アジア主要10カ国・地域も伸び国際貿易に持ち直しの兆し強まる
米調査機関デカルト・データマインは11月11日、最新の海上コンテナ輸送量実績調査結果を公表した。10月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比23・3%増の179万1180TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
4カ月続けて前年実績を上回り、単月で過去最多を記録。中国や韓国、シンガポール、インド、マレーシアが2桁増を記録した。1~10月の累計は0・4%増の1384万4196TEUに達し、プラスに転じた。
新型コロナウイルスの感染拡大による経済情勢悪化や米中貿易摩擦の影響で貿易量も不振が続いていたが、ここに来て復調の兆しが強まっており、世界経済の持ち直しを示唆している。
10月実績の国・地域別集計を見ると、最多の中国発は33・7%増の111万4469TEUで、5カ月連続のプラス。2位の韓国は18・0%増の18万2525TEU、3位のベトナムは5・5%増の12万3737TEU、4位のシンガポールは25・8%増の8万6787TEUだった。上位10カ国・地域のうち、8カ国が前年同月を上回ったが、日本は21・4%減の3万5204TEUにとどまった。
中国発米国向けの主要品目別では、最もシェアが大きい「家具類」(HS94)は38・9%増の18万9067TEUと大きく伸びた。「玩具・運動具」(HS95)は29・1%増の12万8834TEU、「機械類」(HS84)は46・0%増の11万2591TEU、「電子電機」(HS85)は33・1%増の10万5422TEUなど、総じて好調だった。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の9月分は1・5%減の46万3425TEUで、2カ月続けて前年実績を割り込んだ。中国向けは14・9%増の16万9742TEUで5カ月連続の2桁増と伸びたが、それ以外は大半が前年水準を下回った。
アジア10カ国・地域発米国向けコンテナTEU(デカルト・データマイン資料より引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)