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改善基準告示、拘束時間規制めぐり一部の事業者とドライバーの意識に乖離

改善基準告示、拘束時間規制めぐり一部の事業者とドライバーの意識に乖離

厚労省が審議会に調査結果報告

厚生労働省は1月14日、東京都内で、トラックやバス、ハイヤー・タクシーのドライバーの労働時間などを規制する「改善基準告示」の改正に向け、労働政策審議会労働条件分科会の「自動車運転者労働時間等専門委員会」を開催した。

事務局の厚労省は、トラックドライバーの労働時間など勤務実態に関する実態調査結果を報告した。この中で、現行の改善基準告示をめぐり、「1日の拘束時間13時間以内」が基本となっている点に問題があると感じる向きが事業者、ドライバーでともに1割程度存在したことが分かった。

一方、問題があるとした回答者に適切な拘束時間を尋ねたところ、事業者は「13時間超~15時間以下」が最も多かった半面、ドライバーは「13時間以下」が圧倒的に多く、一部の事業者とドライバーの間には意識の乖離があることをうかがわせた。

調査は2021年10月ごろ、有限責任監査法人トーマツが厚労省から受託し、郵便とインターネットの両方で実施。有効回答は新規調査対象となったのが事業者(営業所)で274、ドライバーで1138に上った。回収率は事業者(営業所)が23.8%、ドライバーが16.4%だった。

規制緩和望むドライバーも一定数存在

改善基準告示について、問題があると感じる事項を尋ねたところ(複数回答可)、「特にない」が事業者は69.0%、ドライバーは51.1%で最も多かった。問題があると感じた選択肢の中では「1日の拘束時間」が事業者で12.0%、ドライバーで13.7%とともにトップだった。

「1日の拘束時間」が問題と感じると回答した中で、適切と思う時間を聞いたところ、事業者は「13時間超~15時間以下」が45.5%で、「13時間以下」の40.9%を上回った。「15時間超~16時間以下」は13.6%だった。

ドライバーは「13時間以下」が81.8%で、「13時間超~15時間以下」の14.0%、「15時間超~16時間以下」の3.3%、「16時間超」の0.8%を大きく引き離した。事業者とは対照的な動きだった。

問題があると感じる点として事業者、ドライバーがそろって2番目に選択した割合が多かった「1カ月の拘束時間」(事業者9.9%、ドライバー10.0%)を見ると、事業者は「延長する場合でも1年のうち延長可能な月数は6カ月まで」となっている部分を問題点と見ている向きが59.3%で首位。「原則として293時間が限度」が51.9%、「延長する場合は320時間まで」が48.1%だった。

1カ月の拘束時間293時間上限を問題と感じた事業者のうち、適切と思う時間は「293時間超~320時間以下」が42.9%で最も多く、「275時間未満」が21.4%、「275時間以上~293時間以下」と「320時間超」が14.3%だった。

ドライバーは「原則として293時間が限度」が78.1%、「延長する場合は320時間まで」が60.5%、「延長する場合でも1年のうち延長可能な月数は6カ月まで」が57.0%だった。

293時間が限度の点を問題とみなしたドライバーのうち、適切と思う時間は「275時間未満」が50.6%、「293時間超~320時間以下」が22.5%、「275時間以上293時間以下」が20.2%、「320時間超」が5.6%。1カ月の拘束時間でも事業者とドライバーの考え方に隔たりが目立った。

ただ、1日当たりや1カ月当たりの拘束時間規制を現行より緩和することを望むドライバーも一定数存在していた。

(藤原秀行)

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