【独自取材】「ホワイト物流」賛同、卸・小売業がようやく100の大台に到達

【独自取材】「ホワイト物流」賛同、卸・小売業がようやく100の大台に到達

神戸製鋼所やコニシ、白鳩、山星屋など新規参加

政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が今年10月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1093に到達したことが、同運動事務局が11月10日に更新したデータで明らかになった。9月末から1カ月間で28増えた。

1カ月ごとの増加ペースは2019年4月に運動を本格的にスタートして以降、ここに来て20を割り込む低迷が続いていたが、若干持ち直した印象だ。ロジビズ・オンラインが賛同を表明した企業・組合・団体を独自に集計した結果、卸・小売業が3カ月ぶりに増え、100ちょうどとなり、3桁の大台に到達した。

業種別の内訳を見ると、最も多い運輸・郵便業は9月末の538から558へ20増加。引き続き全体の約5割を占めている。製造業は340から343へ3伸びた。卸・小売業は100になったとはいえ、運輸・郵便業や製造業に大きく水を空けられている状況に大きな変化はない。着荷主となることが多い卸・小売業の積極的な参加が「ホワイト物流」の浸透には不可欠だけに、関係者にはさらに対応が求められそうだ。

9月末以降、新たに賛同した企業・組合・団体に名を連ねたのは神戸製鋼所と傘下のコベルコ建機、接着剤大手のコニシ、下着のECを手掛ける白鳩、菓子卸の山星屋(大阪市中央区)など。ただ、28の企業・組合・団体の一部は宣言内容の最終更新日を記入していないため、各社がそろって10月中に宣言を提出したかどうかは不明。

政府は19年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。運動への協力を表明したのは10月末時点で2割弱に達している。

(藤原秀行)

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