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【独自取材】日本GLP傘下のモノフル、有望な「物流テック」持つスタートアップ企業への投資継続

【独自取材】日本GLP傘下のモノフル、有望な「物流テック」持つスタートアップ企業への投資継続

非効率改善などで連携重視、不動産領域にも関心

※本文中の出資した企業数を「4社」から「5社」に訂正させていただきます。ご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます。

日本GLP傘下でトラック予約受付システム「トラック簿」をはじめとした物流向けソリューションを担っているモノフルは、業務の非効率性やデジタル化の遅れといった課題を解決できる有望な「物流テック」を持つスタートアップ企業に投資していく方針だ。

2017年の会社設立以来、ロボット技術開発や倉庫スペースのシェアリングなどを展開しているスタートアップ企業5社に出資した実績がある。今後も自社のサービスと相乗効果を期待できる物流テックがあれば積極的に検討するほか、物流施設の管理運営に関わる「不動産テック」にも関心を持ち、優良な投資機会に出会えれば前向きに検討していくスタンスを取っている。

モノフルの藤岡洋介社長は「さまざまなステークホルダーと連携して最適な物流を構築する『ロジスティクス・エコシステム』を実現したい」と意気込みを見せている。


ダイキンの物流現場で活用されている「トラック簿」(モノフル提供・クリックで拡大)

サブスクリプションサービスの物流もサポート

モノフルはトラック簿に加え、配車計画を容易に作成できる「配車プラス」、人材管理を効率的に行える「適材ナビ」の3つのサービスを軸に据え、物流最適化を広めていくための新たな機能開発にも注力している。

モノフルが視野に入れているのは輸配送や保管といった特定の工程に絞り込まず、サプライチェーン全体の改善だ。また、日本GLPの物流施設ユーザーだけにサービスを提供するというわけでもなく、他社が開発した物流施設のテナント企業や工場などもソリューションの範囲に据えている。

そのため、モノフルは設立以来、多様な技術やサービスを持つ企業とタッグを組むことに積極的な姿勢を見せている。業務提携はトランコムやあいおいニッセイ同和損害保険、パスコ、フレクトと多岐にわたっている。

加えて、18年には自動車の走行データ分析を手掛けるスマートドライブ、ロボットの遠隔操作技術などを開発しているTelexistence(テレイグジスタンス)の2社に投資。19年にも倉庫スペースシェアリングのsouco、衣料品レンタルのエアークローゼット、人と協調して自律移動可能な物流向けロボットの開発を行うRapyuta Robotics(ラピュタロボティクス)の3社に出資した。

スマートドライブはトラックの動態管理、テレイグジスタンスは物流施設や小売店舗、工場などでのロボット活用、soucoは倉庫の保管・作業スペースの有効活用、ラピュタは庫内のピッキング作業省人化などでそれぞれモノフルのサービスと連携、より付加価値の高いソリューションにつなげていきたい考えだ。

エアークローゼットは女性向け衣料品のサブスクリプションサービスを展開している。保管や出荷だけにとどまらず、返却の受付、クリーニング、メンテナンスといった幅広い物流業務が日々生じているため、モノフルが手掛けているソリューションを活用できる余地は大きいとみている。

藤岡社長は「サブスクリプションサービスの物流を考えていく上でエアークローゼットさんと組めたことは非常に大きい」と指摘。日本GLPが保管だけにとどまらず、製造などの機能も持たせることが可能な大規模物流施設「アルファリンク」を手掛けていることもあり、多様なサブスクリプションサービスの物流ニーズに応える手助けができると見込む。


サプライチェーンでの連携のイメージ(モノフルウェブサイトより引用・クリックで拡大)

投資先の選定に関しては、卓越した基礎技術を持っていたり、ビジネスモデル自体が優れていてモノフルのソリューションと相乗効果が見込めたりすることなどが条件になる。藤岡社長は「スタートアップ企業は事業成長を果たしていく上で不可欠な資金ニーズに加え、サービスを提供してトライ・アンド・エラーが可能な現場やノウハウ、多様な企業とのネットワークも必要とされている。当社は日本GLPとも連携して、そうしたご要望に対応できる立場にある。当社の事業と戦略的にうまく連携ができるかどうかはもちろん、わたしたちのビジネスがどう相手先の成長にお役立ていただけるかも大事なポイントだ」と解説。

モノフルで投資責任者に就いている林口哲也氏は「物流施設の運営などの面でお客さまに提供する付加価値の向上につながる技術が不動産領域でもあるかもしれない。物流だけにとどまらず、そうした観点も持って投資先候補を見るようにしている」と説明。年間の投資額などの定量的な目標は特に設定せず、有望な投資先を熟慮して選んでいく姿勢をこれからも続けるとアピールしている。

(藤原秀行)

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