11月末時点、卸・小売業はまた増えず全体の伸びも低調
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が今年11月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1109に達したことが、同運動事務局が12月9日に更新したデータで明らかになった。
10月末から1カ月間で16増えたが、再び20を割り込んだ。ロジビズ・オンラインが賛同を表明した企業・組合・団体を独自に集計した結果、最も多い運輸・郵便業は10月末の558から570へ12増え、引き続き全体の過半数を占めている。製造業は343から346へ3伸びた。
半面、卸・小売業は100から変わっておらず、運輸・郵便業や製造業に大きく水を空けられている状況が続いている。着荷主となることが多い卸・小売業の積極的な参加が「ホワイト物流」を成功させる上で重要な意味を持つだけに、新型コロナウイルスの感染拡大下でも推進運動の機運を卸・小売業界で高めることが強く求められている。
10月末以降、新たに賛同した企業に名を連ねたのは大日本住友製薬、ベネッセコーポレーション、特殊鋼の松菱金属工業、ダイハツ九州など。ただ、16の企業の一部は宣言内容の最終更新日を記入していないため、各社がそろって11月末までの1カ月間に宣言を提出したかどうかは不明。
政府は19年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。運動への協力を表明したのは11月末時点で2割弱に達している。
なお、同運動事務局は同一企業で異なる営業所が宣言を出していたり、同じグループ企業から複数の企業が宣言を出していたりしても、それぞれ1社ずつカウントしている場合がある。
(藤原秀行)