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【独自取材、動画】楽天、神奈川・横須賀で自動配送ロボットの公道走行実験を公開

【独自取材、動画】楽天、神奈川・横須賀で自動配送ロボットの公道走行実験を公開

21年前半にサービス開始目指す

楽天と神奈川県横須賀市は12月23日、同市馬堀海岸周辺の住宅地で、自動配送ロボット(UGV)が公道を走行してスーパーの店舗から自宅まで商品を届ける実証実験をロジビズ・オンラインなどのメディアに公開した。

実験は遠隔でUGVの動きを監視、周辺の安全を常に確認しながら行った。同社が公道上でUGVを使って配送の実証実験を行うのは初めて。今回の実験で走行データを集め、どの程度のスピードが最適かといった点を検討、2021年の前半をめどに、実験を行った馬堀海岸エリアで期間限定のUGVによる宅配サービスを始めたい考え。


住宅地の公道を走るUGV(以下、いずれもクリックで拡大)

5キロメートル離れた拠点から周辺の安全を常時確認

実験は京急の馬堀海岸駅に近い「西友馬堀店」で購入した商品を近隣の住宅に届けるとの想定で、12月14日から実施。使っているのはパナソニック製の箱型UGVで、長さと高さが各1・15メートル、幅65センチメートル、最高時速は4キロメートル。現状では原動機付自転車の扱いとなり、ナンバープレートを装着している。

住宅地の中で1周約600メートルのコースを10分程度で回っている。UGVは最大30キログラムの荷物を搭載可能で、実験では米や野菜などを実際に積み込んで走行している。

UGVは約5キロメートル離れた同市内の電波・情報通信関連技術などの研究開発施設「横須賀リサーチパーク」に設けた拠点で携帯電話回線(LTE)を使い、UGVに設置したカメラの映像やセンサーで得られた現在位置などの情報をモニターで常時ウォッチしている。併せて、UGVの走行時は常にスタッフが後ろに付いて歩き、有事の際にもすぐに対応できるよう考慮している。


「西友馬堀店」でのUGV


米や野菜などを積み込める


T字路に来ると一時停止


停止車両などの障害物を検知すると自動停止

UGVには周辺の環境を察知できるレーダー「LiDAR」を搭載しており、人や自動車などの障害物を検知すると自動停止。必要に応じて拠点から遠隔でUGVを操作している。パナソニックのテレビ電話システムなどの技術を活用し、常に安定して通信ができる環境を整備している。

楽天と横須賀市はこれまでにも、ドローン(無人飛行機)やUGVを使った商品配送の実証実験を展開するなど、協力関係にある。今年11月には地域の一層の活性化と市民サービス向上のための包括連携協定を締結、UGVやドローンを使った荷物配送による地域課題の解決などに共同で取り組むことで合意している。今回の実証実験はその一環。


拠点での遠隔監視の様子。UGVのカメラからリアルタイムで映像が届く

エリア内で複数台運行を目指す

楽天と横須賀市は19年9~10月にも、横須賀市内の公園で、中国のインターネット通販大手、京東集団(JDドットコム)が開発したUGVによる食料品などの配送実験を行った。今回はパナソニック製のUGVを採用した背景について、楽天ドローン・UGV事業部の向井秀明ジェネラルマネージャーは「住宅地の公道を走行するということで、より小型・低速のものにすべきだと判断した」と説明。JDドットコムのUGVも公道ではない施設内の配送サービスなどへの活用を引き続き検討していく考えを強調した。

向井氏はまた、宅配現場の人手不足や新型コロナウイルスの感染拡大による非接触の配送ニーズの高まりなど受け、UGVによる宅配を着実に広げていきたいとの意向を示した。

楽天ドローン・UGV事業部の牛嶋裕之シニアマネージャーは「実際のサービスでは複数のUGVが注文を受けて随時エリア内を配達する形にすることを検討している。トラックによる配送より効率を高め、ドライバー不足の緩和に貢献していきたい」と意気込みを示した。

横須賀市はもともと階段や坂道が多く、住民の高齢化が進んでいる地域も見られるため、市としてもUGVやドローンによる配送を早期に実用化し、買い物困難者の救済や災害支援への貢献につなげていきたい考えだ。

(藤原秀行)

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